「サービス内容」と「価格」を明確にする
最後に、3つ目の「メニュー表をつくる」についてですが、メニューとはこの場合、サービス内容をランク分けして、いくつか用意することを言います。メニューのつくり方は、最初に、コアとなるスタンダード商品をつくります。これが一番売りたいものであり、戦略商品とも言います。
次に、このスタンダードを軸に、アップセル、ダウンセルを考えます。アップセルというのは、手間をかける代わりに、高単価を狙うサービスのこと。対するダウンセルというのは、安くする代わりに、一度の手間で量産できるようなサービスのことを言います。
事例としては、たとえばスポーツジムのスタンダードが一般会員、ダウンセルは時間制限などのあるデイ会員、アップセルはプライベートレッスン、という感じです。他には、クレジットカード会社の例だと、スタンダードは普通のクレジットカード、ダウンセルが学生カード、アップセルは年会費が数万〜数十万円するプラチナカードやブラックカード、といったサービスが用意されています。
個人事業主の場合、「限られた時間をどこに投入するか?」が売上を大きく左右します。なんとなく、顧客に言われて場当たり的な対応をするのではなく、サービス内容と価格を明確にしたメニュー表があるに越したことはありません。京セラやauの創業者である稲盛和夫氏は「値決めは経営」と言い切っています。
この 3つを作成すべきタイミングは、「副業を始める」と決めた段階です。3つに共通することは、すべて代金を頂戴するための準備ということ。サラリーマンが「副業を始める際の意識改革」という面から考えても、ここから始めることには大きな意味があります。
俣野 成敏
ビジネス書著者
投資家
ビジネスオーナー