(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は株式会社財産ドック著『税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

資産総額2億円。納税資金には困らないものの…

【ケース】Hさん・60歳

 

Hさんから「自分の場合の相続税をシミュレーションしてほしい」と相談を受けました。Hさんの資産総額は2億円ほどありましたが、諸々の控除をすることで最終的な相続税は数百万円程度と試算できました。

 

結果を伝えると、そこまでの高額でもないし、納税資金に困ることはないとの返答でした。ただ、ある土地について悩んでいるということを話してくれたのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

Hさんは名古屋市内に大きな土地を2カ所、道路を挟んで所有していました。一方には自宅と古いアパートが立っており、もう一方は月極駐車場です。両方で500坪くらいありましたが、特に後者の土地は広く、細長い形状をしていました。

 

Hさんとしては、アパートが老朽化し入居者も少なくなってきていることから、今いる入居者に出ていってもらって別の活用をしたいと考えていました。アパートの立地は最寄り駅まで徒歩で30分。周囲には倉庫などがたくさんあるような準工業地帯で、住宅もまばらという土地柄です。

 

新たな土地活用のアイデアとして、誰もが考えつくのはアパートをいくつか新築することでしょう。付き合いのある銀行の営業マンや建築業者からも、先日そのような提案があったとのことでした。しかし、これはリスクが高く、最適の方法とは思えませんでした。

 

駅からのアクセスが悪いため、入居者を安定的に確保することは難しいと思われたことや、アパートを新築するための投資額が億単位と大きくなることなどが主な理由でした。弊社としてはお勧めできないということを、その理由を含めてお話しすると、Hさんも「自分もそう思っていた」と同意してくれました。

 

そのうちに、Hさんの土地にドラッグストアを出店したいという業者が現れました。

次ページ業者が「驚きの金額を提示」も、Hさんが拒否したワケ
税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策

税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策

株式会社財産ドック

幻冬舎メディアコンサルティング

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