全員が「これだ!」と思ったのは…
地域にはどんな人たちが暮らしているのか。そういったことを現地に足を運んだり、役所で登記簿を調べたり、図面で確認したりなどしながら細かく調査していきました。常日頃から多くの情報収集が重要です。日常的に多くの情報に触れていると、多くの引き出しができ、たくさんのものが蓄えられるようになります。これが〝提案力〟につながっていきます。
提案力は、提示する選択肢の数だけではなく、そのスピードも重要です。次の案を出すまでのスパンが長くなると、依頼者が飽きて土地活用への情熱が冷めてしまったり、これまで相談してきた内容と別の動きを勝手に始めてしまったりすることもあるからです。Hさんも決断の早いタイプの人でしたから、より速く情報を集め、提案をしていく必要があると判断しました。
集めた情報からHさんの土地は、最寄り駅からの距離を考えると、近隣の人々が日常的に利用するような施設か、車を利用して来るような施設が適していると思われました。倉庫やガレージ、コンテナがあると重宝する立地であることもわかりました。社員たちからいくつも挙がってくる案の中で、私を含めて全員が「これだ!」と思ったのが、レンタル物置です。
解決策2 地域特性を活かしたレンタル物置ビジネス
普段使わないものや思い出の品などをレンタル物置に保管することで収納の悩みを解決し、ゆとりのある暮らしをかなえます。
このサービスは最近始まったばかりですが、遊んでいる土地の有効活用として多方面から注目されています。これまでもコンテナをレンタルスペースとして貸し出すサービスなどが他社でもありましたが、コンテナがかなり大きく、広い土地でないと置けませんでした。それに対してレンタル物置は、1畳分くらいのサイズからあるので、さほど広い土地でなくても設置ができます。
借り手もコンテナだと業者に限定されがちですが、物置なら個人で借りるにも便利で、長期利用が多く空きが出るリスクも少なくなります。セキュリティの面でも防犯キーを完備したり、警備員が24時間体制で対応してくれたりなど配慮されています。