編入ルートは「情報戦」…自力で徹底的に情報収集せよ
私が本連載においてメインでお話ししているのは、「州立短大→州立の4年制大学」の編入の話ですが、生徒さんが「どうしても私立の●大学に行きたい」という希望を持っている場合があります。有名なところではスタンフォード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)大学などです。そういった場合には、別の形で編入の可能性を探ることになります。
この場合はまず、今までお話ししてきた州立短大(コミカレ)ではなく、私立短大(ジュニア・カレッジ)、もしくは狙う大学よりも入学しやすい「中堅の私立4年制大学」に入学します。
たとえば、世界ランキング3位のスタンフォード大学は、ペパーダイン(Pepperdine University)という4年制大学から一定数の編入生を取っています。いきなりスタンフォードに「フレッシュマン入学」するのではなく、まずはペパーダインに入学して、そこから本命のスタンフォードを狙って編入する、という戦略があり得るわけです(『【画像】世界トップ大学への進学が叶う、おすすめの編入ルート』を参照)。
世界ランキング6位のハーバード大学(Harvard University)のように、私立の中には、編入を受け入れない、または数名程度しか取らない大学もあります。このように私立への編入は州立に比べると非常に難しく、さらに前述のとおり学費が高いものです(その分奨学金が充実している大学もありますが…)。ですから、特別に行きたい大学がない場合は、州立の大学に的を絞るのが得策なのです。
私も決して裕福な家庭環境で育ったわけではなかっため、学費の問題は大きくのしかかりました。留学したいという気持ちは昔からあったので、高校生のときから、学校が終わったら(校則違反でしたが)毎晩遅くまでコンビニでアルバイトをしていました。アメリカに渡ってからも、アルバイトを3、4つほど掛け持ちしました。図書館で働いたり、数学のチューターやったり、キャンパスの清掃活動や、皿洗いなどしていましたね。
やはり大変でしたから、バイト代(お金)をいただくたびに、親が応援してくれることがどれほどありがたいことか、身に染みて実感しました。親が自分のために頑張って働いて出してくれているお金ですので、「情報がなかったために、金銭的な損失を出してしまった」という事態は絶対に避けたいものです。その観点からも、短大選びは重要です。
どの短大を選んでいいかわからない場合は自分ではよくわからないという方は、SNSなどのコミュニティーで、留学経験者を探してみましょう。アメリカ留学のコミュニティーが見つかるはずです。めぼしい短大の留学経験者を見つけて話を聞くことができればベストです。私自身編入の成功率を上げるために、求められる情報はお出ししています。
外務省主催の留学フェアはおすすめです。優良短大もブースを出しているので、直接担当者に編入のことなどを質問できるいい機会になります。
自分の将来に関わる大切な選択ですので、闇雲にあっせん業者に丸投げするのではなく、自分の力で情報を集めたいものです。
山内 勇樹
4技能英語講師