英語が苦手でも「米国トップ大学卒」に…編入を狙った短大留学

英語が苦手でも、国内屈指の優秀な高校を卒業していなくても、「米国トップ大学」を目指すことは可能です。ここでは、日本ではほとんど知られていない「短大→トップ4年制大学」という進学ルートを紹介します。※本連載は、株式会社Sapiens Sapiens代表取締役の山内勇樹氏の著書『東大・京大卒に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法 』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

日本の名門大学の現状…世界的な評価はいまいちだが

今年を含め、ここしばらく「世界大学ランキングで、日本の大学の順位が振るわない」という声をよく耳にします。実際、他のアジア諸国の大学が順位を伸ばす中、日本の大学の評価は上がっているとは言えないのが現状です。

 

現在、日本の大学は様々な問題を抱えています。大学への予算、論文発表、学生の学習意欲、人材、就職活動に関する事情、大学が多すぎるなど、複数の問題が議論されています。

 

しかし、私は日本やアメリカの学生にとどまらず、他の国々の学生とも多く接してきた身として、日本の大学生の学術レベルは、入学時点においてはきわめて高いほうだと感じています。決して、現在の世界大学ランキングが示しているような、いまひとつのレベルではないはずです。日本の最高峰の東京大学はじめ、多くの大学がもっと世界的な評価を受けてもよいのではないでしょうか。

 

ただし、日本の学生には、大学入学前の勉強量は多いが入学後は減ってしまう傾向があります。一方、海外の多くの国では、大学入学後のほうが勉強量が増える、とよくいわれています。もちろん全員こうだというわけではありませんが、この傾向を実感することは少なくありません。

 

日本人が留学するにあたり、世界的な名門大学を目指す場合でも、トランスファー留学(短大を経由して名門大学に入る方法)の場合でも、入学後もたゆまず一生懸命に勉強しなければいけない点は同じです。本記事では、トランスファー留学について、もう少し踏み入ってご紹介していきましょう。

フレッシュマン入学、短大入学…2つの進学条件を比較

前回の記事『東大・京大以上の学歴に…世界のトップ大学へ「編入」する方法』では、米国の短大から米国トップ大学へのルートの存在と、そのルートがなぜ存在するのかを説明しました。

 

まず、実際にトップ大学にフレッシュマン入学する場合と短大入学する場合とで、名門大学に合格するために求められるものの違いは何かを具体的に見てみましょう。

 

【フレッシュマン入学に必要なこと】

1 オール10に近い高校の成績

2 TOEFL(参考:90点前後)やSATのハイスコア

3 英語で書かれた立派な推薦状

4 論理性の高い英語の志望理由書(自分の優位性や適合性をアピールする内容)

5 高校時代の積極性を証明する活動証明書(生徒会活動・ボランティアなど)

 

【短大入学に必要なこと】

1 高校の卒業資格(高校卒業認定試験でもOK)

2 短大入学に必要な英語力(現地で語学学校を修了すればOK。TOEFLなら45〜61点、iTEPなら3.0~3.5点)

3 英文で書かれている志望理由書(エッセー) ※洗練された英語である必要はない

 

トップ大学へのフレッシュマン入学に求められるハードルが非常に高いのがおわかりいただけたと思います。実際、日本で生まれ育った高校生が、先ほどの基準を満たすのは難しいでしょう。一方、短大入学については、いかがでしょうか。渡米前に必要なのは、高校を卒業すること(高校卒業認定試験でも可)、そして、志望動機の英作文を書くこと。その2点だけ! TOEFLのスコアも比較的低めに設定されています。やればできそうな気になりませんか?

 

フレッシュマン入学の5つの条件を満たすスーパーエリートの学生でなくても、やる気さえあればトップ大学に合格できる方法が、「一度アメリカの短大で良い成績を修めて、その成績を持ってトップ大学に編入する」というルートなのです。

 

フレッシュマン入学は、国内で優秀な成績を収めている学生でも難しい(※写真はイメージです/PIXTA)
フレッシュマン入学は、国内で優秀な成績を収めている学生でも難しい(※写真はイメージです/PIXTA)

 

アメリカの短大にまず入るのであれば、SATは免除されます。推薦状も不要です(例外的に要求される場合がありますが、通常は必要ありません)。

 

志望理由書(Personal  Statement)は、短大では高度なものは要求されません。多少文法ミスや不自然な文章があっても、的外れな内容ではなければ問題ありません。「なぜ留学したいのか、その短大で何を勉強したいか」が書かれていれば大丈夫です。

 

もちろん、短大から4年制大学へ編入申請するときの志望理由書(エッセー)は、非常に重要です。成績がいちばん重要ではあるのですが、いくら成績が良くても、エッセーで失敗すると不合格になります。

 

「なぜ自分がその大学へ行きたいのか、自分がどれほどその大学に合っている人材か」を論理的に示す必要があります。これは自力で書ける人はいいのですが難しければ、プロのアドバイスを受けて書いてもいいでしょう。

 

[図表1]フレッシュマン入学と短大入学の違い

「短大入学に必要な英語力」は、1~6ヵ月で達成可能

ほとんどの日本の高校生にとって、短大入学のネックになっているのは、英語力だと思います。「短大入学に必要な英語力」って言われても…と、すでに不安になっている人もいるのではないでしょうか。そこは心配いりません。短大入学には、アメリカの4年制大学レベルの英語力は必要ないからです。

 

一般的な短大で求められる英語力は下記のいずれかとなります。

 

1 TOEFL、iTEP、英検などを提出する(基準点、使えるテストは学校により違います)

2 短大付属の語学学校や系列の語学学校で、一定レベルの課程を修了する

 

2の「語学学校で一定レベルの課程を修了する」方法については、短大側もビジネスですから、語学学校にいる生徒をそのまま短大に入学させたいという思考があります。

 

語学学校の期間は、その学生の英語力によりますが、1ヵ月~6ヵ月といったところでしょうか。もちろん留学前にできる限り英語力を高めておくことをおすすめしますし、英語力が高くなっているほど語学学校の期間は短くなります。

 

TOEFL、iTEP、英検で高得点をすでにマークしているという人以外は、短大付属の語学学校に入るというのが現実的な手段の一つです。もちろんTOEFL、iTEP、英検などに挑戦するのもアリです。

 

ところで、「語学学校の一定レベル」と言われてもピンとこない人がほとんどでしょう。ここでは、系列の語学学校の1つELS(English Language School)を例にご説明します。ELSでは、授業のレベルが101から109まであり、108か109の授業を修了すれば、たいていの短大に入れます。日本の高校を卒業した人は、だいたい105か106からのスタートですので、3から4つ高いレベルを目指すことになります。ちなみに、高校の英語の成績が芳しくなかった私でも106からスタートでき、109までを1回飛び級をして3ヵ月で修了することができました。

 

TOEFL、iTEP、英検のいずれかのスコアを保有しているのであれば語学学校に入る必要はありませんが、いきなり短大に入学しても英語で行われる授業についていけるか心配という方もいるでしょう。そういった場合、頭を英語に慣れさせるための準備体操として、1ヵ月だけ語学学校に通うという方法もあります。私自身、英語を使ったコミュニケーションの絶対量が不足している学生には、この方法をおすすめしています。

トップ大学への編入は、短大入学後の「履修」がカギ

専攻により変動することもありますが、一般的に、トップ大学への編入に必要な授業数は、おおよそ60~80単位だと言われています。そのためには、編入するまでの2年ほどで約20の授業数を履修する必要があります。そのうちほとんどの単位は、編入先へ移行できる単位、「編入対応」の授業を履修しなければなりません。「編入対応」か「編入非対応」かは、短大で購入できる「授業のスケジュール表(Schedule of classes)」に記入されています(図表2参照:見本)。

 

出典:Cypress College「Spring 2016 Schedule of Classes」http://www.cypresscollege.edu/academics/scheduleofclasses.aspx
[図表2]スケジュール表はここをチェック! 出典:Cypress College「Spring 2016 Schedule of Classes」

 

入学した短大が2学期制の場合、1学期に履修する単位はおよそ15単位になります。

 

その中で、専攻にかかわらず皆が取らないといけないのは、日本の大学でいうところの「一般教養」です。仮に「理系科目の専攻」の人であっても、社会系、文系などのカテゴリーの中から、必ず1つは授業を取らなければなりません。

 

※日本のような理系、文系という区分ではないケースが多いですが、話をわかりやすくするためこのように記述しています。

 

図表3は、編入までに必要な履修目安の一例です。

 

[図表3]編入までに履修すべき授業数の目安

 

夏休みに開講される「夏特別学期(通称夏セメ)」を活用するという手もあります。履修の戦略次第で、留学期間をなるべく短くすることも可能です。

 

ただ、あまり多くの単位をいっぺんに取りすぎると成績の維持が難しくなります。トランスファー留学(短大から名門大学への編入を目指す方法)では、短大の成績が大事ですから、無理な詰め込みはおすすめできません。ちゃんと勉強し、知識やスキルをしっかり身につけることが大事です。そうすることで成績を高め、維持していくことができるようになるのです。できれば「オールA」を目指していきたいところです! 少なくともそういう意気込みは必要です。

 

トップ大学への編入学を決めるのは、短大での成績です。「オールA」に近い成績を出すための具体的な戦略は、次回以降で詳述していきましょう。

 

補足までに述べると、短大入学に必要な英語力を身に着けるにあたり、語学学校は一つの手ですが、なるべく日本にいるうちから、TOEFLなどの英語テスト対策に取り組んでおくのがよいでしょう。英語力をできるだけ高めていきたい! そういう気持ちが人一倍なければ、世界大学ランキングで東大、京大よりも上に位置するような大学を目指したいなんて言えません。

 

ランキングは、付け方(methodologies)次第で順位が大きく異なるため、絶対的な評価ではありません。しかし、それでも東大、京大よりも上にランキングされる学校を目指す場合、これまで勉強が足りなかったのであれば、その分を巻き返して追い抜いやるんだ!という気持ちは必須です。

 

また、私が「日本の大学は過小評価されている」と思っているのは冒頭で述べた通りですが、少ない予算、問題が多い環境の中でのパフォーマンスとして見ると、日本の大学は極めて突出しています。国内の大学に進む学生の方々には、日本の大学の素晴らしさを世界にアピールしていって欲しいですね。

 

東京大学は、2021年のタイムズ・ハイヤー・エデュケーションの世界ランキングでは36位でしたが、教育や研究は決して世界に引けを取りません。それぞれ100点満点中88点と91点です。収益性も83点と高得点です。残念なのは、論文引用数(58点)と国際性(40点)です。日本の大学生には、できる限り世界でプレゼンスを発揮するべく、論文執筆(特に外国語での執筆)、国際交流などに積極的に取り組んで欲しいと願っています。日本と海外の大学間交流、共同研究というのがもっとあってもよいのではないでしょうか。そうした取り組みを通して、引用数も、国際性も、そしてランキングも上がってくるのではないかと思います。

 

 

山内 勇樹

4技能英語講師

留学専門家
英語4技能講師

1980年長崎生まれ、広島育ち。高校時代は体育高校で偏差値39だったが、高校卒業後アメリカ・カリフォルニア州に渡米。公立短大であるLong Beach City Collegeへ入学後、編入でUCLAに入学、卒業。脳神経科(Neuroscience Major)専攻。 2006年より、日本にて、留学サポート・英語指導に関するサービスを提供。著書に『Storyで覚える! TOEICテスト エッセンシャル英単語』(かんき出版)がある。

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著者紹介

連載東大・京大卒に勝てる!世界のトップ大学に編入する方法

東大・京大卒に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法

東大・京大卒に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法

山内 勇樹

ダイヤモンド社

偏差値39でも、一流の子に変わる! 日本の普通の高校生でも世界のトップ大学へ進学できる、いちばん簡単な「抜け道」を紹介。 自身の卒業経験に基づき、これまで500人以上もの学生を世界トップ大学へと導いた著者が明か…

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