本記事は株式会社財産ドック著『税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

「わが子を信用できない」で贈与を拒否…

問題点2:贈与への抵抗感を持つ被相続人がいる

 

現預金が多く、今後も貯まっていくことが考えられる場合には、生前贈与をするという方法を検討します。生前贈与は、相続発生による財産移転よりも先に財産を相続人へと移す方法です。

 

贈与は相続税とは違った税率が決められており、通常の贈与の場合には相続税よりも厳しい税制となっています。それでもなぜ贈与を利用するかというと、贈与税は年間の合計額で課されるため、毎年少しずつ贈与をすれば低税率、もしくは基礎控除の110万円内におさめれば無税で贈与できるからです。つまり、長い年月をかけるだけ節税となるのです。

 

うまく利用できれば大きな節税が可能となる贈与ですが、実は抵抗がある被相続人も少なくないのは事実です。贈与は生前対策になりますが、被相続人は自身が健在である限りは、お金を渡したくない、自分で管理したいと考える人がいるのです。

 

贈与しても無駄遣いしてしまうだろうとわが子を信用していない人もいるくらいで、信頼関係がない家族の場合には、なかなか贈与に踏み切ることができないのです。実際、日本の資産全体の6割以上は60歳以上の世代が保有していると言われているので、まだまだ贈与の利用は大きく広がっているわけではありません。

 

国としてはどうにか若い世代に贈与をしてもらって、日本経済を活性化させたいことから、今はいろいろな贈与特例が作られていて、贈与を後押しするような仕組みもできているのです。

 

国の施策に乗せられて闇雲に贈与するというのはやめた方がいいですが、適切な利用さえできれば節税対策になりますし、もらった側から感謝されることもありますので、非常に効果的な相続対策になることは間違いありません。

 

解決策:養子、養女、孫に対しての贈与を提案

 

Kさんのケースでは、現預金が多く、かつその後の現金収入も見据えて、やはり贈与をすることをお勧めしました。贈与することで事前に納税資金の原資を息子たちに移転でき、さらに相続発生時の税額も減らすことができるためです。

次ページ後悔しかない…明かされたKさんの「大失敗」
税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策

税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策

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幻冬舎メディアコンサルティング

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