大学周辺は一見賃貸需要が安定していそうだが・・・
エリアによっては賃貸ニーズが一定せず、時期や景気などによる入居者数の変動が激しいところがありますが、そのような場所はできれば避けた方が無難でしょう。
たとえば、大学の周辺など学生の多いエリアは、その入居をあてこんだマンション、アパート、寮が多く建てられる傾向が見られます。たしかに学生の入居者が確保できれば、卒業まではそのまま住み続ける場合が多いでしょうから、安定した収益を確保できるように思えます。
しかし、逆にいえば、新学期が始まる前の1月から3月までの入居シーズンに、入居者を獲得することに失敗すると、1年間、空室のままになるおそれがあります。
しかも、近頃、首都圏では、若者に対して魅力ある立地をアピールすることで少子化に伴う学生数の減少を食い止めようと、大学のキャンパスが郊外から都心へ回帰する動きが強まっています。
そのような流れもある中で、学生向けのマンションを建てたものの、万が一、頼りとしてきた学校が移転するようなことにでもなれば、収益モデルが根本から崩れ去ることになり、そのダメージは計りしれないでしょう。
時期や景気によって賃貸ニーズが変動する地域は避ける
同様のリスクは、俗に企業城下町と呼ばれる特定の上場メーカーなどを中心に経済発展を遂げてきた地域で賃貸住宅事業を行う場合にも存在します。
景気の上向いているときには、そのメーカーの工場で働く従業員が増員されるなどして賃貸需要が高まるでしょうが、逆に、不況になったときには人員削減や工場閉鎖などによって、一挙に空室だらけになる危険性があるからです。
このように、賃貸ニーズが季節性や景気などの不確かな要素によって左右されるような場所ではなく、1年を通じて常に安定した需要が見込める地域を投資エリアとして選択することをお勧めします。