どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、JR根岸線と横浜シーサイドラインの「新杉田」。

人気の家系ラーメンは「新杉田」から始まった

「新杉田」は横浜市磯子区に位置しています。JR根岸線と、横浜シーサイドラインが運営する金沢シーサイドラインの接続駅です。JR駅の1日の乗車数は3.6万人、横浜シーサイドライン駅の乗降客数は3.4万人ほど。駅西口から徒歩9分で、京浜急行電鉄本線「杉田」駅です。

 

 

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「新杉田」駅の所在地で、主に駅東側に広がる新杉田町。1960年代に埋め立てられた工業地帯で、東芝横浜事業所など大手企業の工場や本社があります。以前は海水浴場があり、海苔の養殖が盛んな海岸でした。

 

駅西側が、“新”のつかない杉田。その地名の由来になったのが、「新杉田」駅から徒歩5分ほどのところにある「東漸寺」。正式には「靈桐山東漸寺(れいとうざんとうぜんじ)」といい、1301年創建の関東十刹のひとつです。境内にある釈迦堂は禅宗様仏殿としては日本でも最古のものです。また境内には、1937年頃に枯れてしまった杉がありました。昔、その杉に軍旗を立てたところ「旗立杉」と呼ばれはじめ、地名の由来になったそうです。

 

十刹・・・五山に次ぐ禅宗寺院の格式を表すもの

 

歴史ある杉田の地ですが、戦争や宅地化で姿を消し、幻といわれている「杉田梅」が有名です。江戸時代には「杉田梅林」として、3万6,000本もの梅の木があったのだとか。現在では「新杉田」駅から10分ほどの「牛頭山妙法寺」に当時の面影が残っています。

 

もうひとつ、杉田といえば「横浜家系ラーメン」です。昨今広まった人気ラーメンですが、その起源はかつて産業道路沿いにあった「吉村家」。店主が「九州の豚骨と東京の醤油を混ぜたら美味しいのでは」と考えたのがきっかけでした。現在「吉村家」は「横浜」駅南口に移転していますが、創業地のすぐ近くでは、直系1号店の「杉田家」が営業しています。

 

横浜発祥の家系ラーメン
横浜発祥の家系ラーメン

 

「新杉田」駅は、1970年、根岸線の「磯子」〜「洋光台」の開通と同時に開業し、1989年には、シーサイドライン駅が開業しました。駅東側は前述の通り工業地ですが、駅西側は再開発により、駅直結の「ビーンズ新杉田」や「らびすた新杉田」など、新スポットがオープン。近年、駅周辺では中高層のマンションが増えています。

 

国道16号線を渡り、京急本線「杉田」駅までの通りには、60年以上の歴史ある商店街「ぷらむろーど杉田商店街」。生鮮食品店や飲食店など、庶民的な店が並びます。人情味あふれる雰囲気を好む人には、おすすめのエリアです。

 

横浜シーサイドライン
横浜シーサイドライン

 

 

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