19日に新シリーズが始まった堺雅人主演『半沢直樹』。初回視聴率が22.0%と驚異的な数値を叩きだすなど、いまだ世間の「半沢熱」の高さには目を見張るものがある。2ndシーズンは銀行 VS 証券が主としたテーマになっているが、実際の証券株式会社の裏側は『半沢直樹』よりも熾烈かつ壮絶だ。大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏の書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋してお届けする。

結局、きちんと得をしていた顧客などほんの一握り

トレンド商品は上昇気流に乗っている真っ最中ですから、買って売れば儲けは出ます。これを小刻みに繰り返すことで、手数料をたくさん稼いでいくのです。もちろんこの時点では、資金を託した顧客もいくらかの利益をあげることができるでしょう。しかし一度トレンドのてっぺんを過ぎてしまったらどうでしょう。ブームが過ぎた瞬間、一気に金融商品の価値は転げ落ちていきます。

 

プレミアがついて120で買った金融商品を、ピークの140で売れれば儲けが出ますが、下降を始めた直後の120で売れば手数料分だけ損ですし、ブームが完全に去ったあとでは70以下に下落する可能性もあり、大きな損失となります。旬の商品を買った多くの顧客が、このような取引をして損を出しているのです。営業員は売りやすいものを売っているに過ぎません。顧客が利益を出せるかどうかは二の次三の次なのです。

 

■大切なのは最終判断は自分ですること

 

改めて念を押しますが、証券会社を信用し過ぎてはいけません。「言いなりになっていたら損をする」という考えを持って、営業員とは接するべきです。

 

証券会社と長い付き合いをしていて、きちんと得をしていた顧客などほんの一握りでしょう。しかもその得をした方というのは、証券会社の力というよりは、時代が味方したまたま儲かったケースだったと考えられます。

 

証券会社の勧めに従って取引することは、それだけ危険だということです。ここまでの証券会社の手法、そして顧客が儲けることのできない理由を読まれたあなたは、「損が出ているのに、よく顧客は付いてきてくれるな」と思われるかもしれません。当然、利益を出せないことに腹を立てられる顧客もいました。怒りに任せ、灯油缶を支店に持ち込んだ方も、私は実際に目にしたことがあります。

 

それでも、証券会社は売上を出すため、日々取引をさせるための営業を行います。それしか証券会社の生き残る方法はないのですから。証券会社の営業員は、営業のプロ。会社から命じられた商品を販売するだけの存在。この事実を忘れてはいけません。

 

「有名な証券会社が勧める投資だから」といった先入観は絶対に捨てましょう。証券会社と付き合っていくならば、営業員の言うことは参考程度に聞き入れて、最終的な判断は自身で行うようにしてください。

 

次回は明日(7/22)配信。

 

 

 

※本記事は書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』を抜粋したものです。

 

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原田 茂行

IFA/自由が丘財産コンサルタンツ合同事務所代表/一般社団法人シニアウェルスライフ協会代表理事

 

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

原田 茂行

幻冬舎メディアコンサルティング

オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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