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ヘッドライン7月14日号『プラスに転じた中国の輸出と輸入』で示唆したように、中国4-6月期のGDP成長率は市場予想を上回りました。ペントアップ需要(買い控え需要)の持ち直し、生産の追い上げ、好調な医療用品や在宅勤務関連商品の輸出の拡大、景気刺激策による内需拡大などが想定を上回ると見込まれるためです。当面回復は見込まれますが、次の点で回復の勢いが低下する可能性もあります。

中国4-6月期GDP成長率:市場予想を上回る結果、形式的には景気後退を回避

中国国家統計局が2020年7月16日に発表した、4-6期の中国の実質GDP(国内総生産)成長率は、前年同期比で3.2%増と、市場予想(+2.4%)、前期(マイナス6.8%)を上回りました(図表1参照)。形式的な景気後退は回避された格好です。同日に、他の主要経済指標も公表されました。

 

6月の鉱工業生産は前年比+4.8%と市場予想(+4.8%)に一致し、5月(+4.4%)を上回りました。一方、6月の小売売上高はマイナス1.8%と、市場予想(+0.5%)を下回りました(図表2参照)。前月はマイナス2.8%でした。1月-6月の固定資産投資は前年比-3.1%と、ほぼ市場予想(マイナス3.3%)に並び、前月(マイナス6.3%)を上回りました。6月の都市部の月別雇用率(調査失業率)は+5.7%でした。

どこに注目すべきか:ペントアップ需要、特需、インフラ投資、住宅

ヘッドライン7月14日号『プラスに転じた中国の輸出と輸入』で示唆したように、中国の4-6月期GDP成長率は市場予想を上回りました。ペントアップ需要(買い控え需要)の持ち直し、生産の追い上げ、好調な医療用品や在宅勤務関連商品の輸出の拡大、景気刺激策による内需拡大などが想定を上回ると見込まれるためです。当面回復は見込まれますが、次の点で、回復の勢いが低下する可能性もあります。

 

まず、4-6月期の成長率を前期比で見ると+11.5%で、年率に直せば50%を超える計算です。回復が続くとしても、この急激な回復の勢いは緩やかになると思われます。

次ページ勢いの低下が想定される背景(図表1,2)

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