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中国の貿易統計が改善しました。輸出、輸入共にプラスとなるのはほぼ半年ぶり(昨年12月来)となります。中国国内需要の回復による輸入の増加と、外需にも改善が見られた格好です。中国の貿易収支は3月に急低下しましたが、今回の貿易統計で4-6月期は改善しています。4-6月期の成長率にはプラス貢献が見込まれます。
中国6月の貿易統計:輸出、輸入共に前年同月比でプラスに転じる
中国税関総署が2020年7月14日に発表した6月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比+0.5%と、市場予想(マイナス2.0%)、前月(マイナス3.3%)を上回りました。輸入は+2.7%と、市場予想(マイナス9.0%)、前月(マイナス16.7%)を大幅に上回りました(図表1参照)。
なお、中国の6月の貿易収支は約464億ドル(約5兆円)と、主に輸入が想定以上に拡大したため、市場予想(596億ドル)、前月(629億ドル)を下回りました。
どこに注目すべきか:貿易統計、マスク需要、GDP成長率、内需
中国の貿易統計が改善しました。輸出、輸入共にプラスとなるのはほぼ半年ぶり(昨年12月来)となります。中国国内需要の回復による輸入の増加と、外需にも改善が見られた格好です。中国の貿易収支は3月に急低下しましたが、今回の貿易統計で4-6月期は改善しています。4-6月期の成長率にはプラス貢献が見込まれます。
中国経済について、主に内需主導による形での回復は見込んでいたものの、外需については成長の抑制要因となる懸念もあると見ています。ただし、6月の中国の貿易統計の数字を見る限りでは、市場予想を上回る回復を示すなど、やや強めの数字となっています。
今週の中国経済指標で最も注目を集めるであろう4-6月期のGDP(国内総生産)は、今のところ前年同期比で2.0%が市場予想となっています。輸入の大きさはマイナス材料ですが、全体としては、内需の回復を反映しており、景気回復を示唆するとも見られそうです。
ただし、中国の貿易が成長をけん引するにはいくつか気になる点もあり、景気対策による内需の下支えが、当面の成長の柱になるとの見方を維持したいと考えます。