委任者(本人)が第三者(個人・法人)に対し、亡くなった後の手続きや、葬儀・納骨・埋葬などに係る代理権を与え、死後事務を委任する契約のことを「死後事務委任契約」といいます。本記事では、一般社団法人社長の終活研究会・代表理事の眞鍋淳也氏が、トラブル事例を交えて解説します。

「死後事務委任契約」には何を書くか?

受任者もしくは再受任者に親族を指定した場合、その人が難しい判断を求められずに済むように、次のことについては、自分で決めておくようにしたいものです。なお、これらは、必ずしも全てを死後事務委任契約に盛り込む必要はありません。細かいことについては別紙にして、その旨を契約に記載しておけば足ります。

 

① 葬儀一切を誰に任せるか

誰に喪主を頼み、葬儀を取り仕切ってもらうのか、明確にしておくようにしましょう。「葬儀一切を○に依頼する」の文言は必ず入れるようにします。

 

② 葬儀の形式、場所、希望があれば宗教者の指定

近年は、葬儀のやり方もさまざまになってきています。仏式・キリスト教式・神道など、どの宗教による葬儀を行ってほしいか、特定の宗教者に頼みたいのであればその旨を明記します。できれば葬儀場(葬儀社)をどこにするかということにも、触れておくといいでしょう。

 

特定の宗教によらず、無宗教で行うこともできますが、その場合は通夜も告別式もあっという間に終わってしまい、時間がもたないため、読経等に代わるものを考えておく必要があります。

 

海や山への散骨は、自治体によっては条例で禁止されていることもあるので、確実に実行可能な地域を調べた上で場所を指定するようにします。

 

③ 死亡の連絡の範囲、弔辞、献杯を誰に頼みたいか

現役で仕事をしている場合、どこまで死亡の連絡をすればいいか家族にも判断がつきやすいですが、現役引退から時間が経てば経つほど判断しにくくなるものです。仕事・学生時代の友人・趣味の仲間など、グループ別に分けて、それぞれのグループの中心的な人の氏名と連絡先を書いておきましょう。

 

また、告別式で弔辞を読んでもらいたい人、収骨後の精進落としのときに献杯の発声をしてもらいたい人を指定しておくと、受任者(再受任者)にとっては助けになります。

 

④ 遺影のセレクトと、戒名について

遺影は亡くなった人を偲ぶためのものです。自分らしさがよく出ているもの、気に入っているものを選んでおくといいでしょう。また、戒名については、どれくらいの予算なのかを明確にしておくと、残された人が迷わずに済みます。

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