委任者(本人)が第三者(個人・法人)に対し、亡くなった後の手続きや、葬儀・納骨・埋葬などに係る代理権を与え、死後事務を委任する契約のことを「死後事務委任契約」といいます。本記事では、一般社団法人社長の終活研究会・代表理事の眞鍋淳也氏が、トラブル事例を交えて解説します。

「一生懸命書いたのに…」遺言書にはリスクがある

死後のことなら、わざわざ死後事務委任契約を作成しなくても、遺言書に書いておけばいいのでは?と考える人もいるかもしれません。しかし遺言書を開封するのは、葬儀が終わって少し経った頃、遺産分割協議のタイミングということが多いのではないでしょうか。

 

亡くなった日から葬儀を終えるまでの数日間は、次から次へとやらなければいけないこと・決めなければいけないことが出てきて、遺書を探す時間もなければ、中身を確認する余裕もないということがほとんどでしょう。

 

つまり、遺言書に自分の葬儀の段取りについて、一生懸命書き残したとしても、葬儀に間に合うように家族の目に触れるとは限らないということです。

 

◆死後事務委任契約には「実行」させる力がある

 

また、遺言書と死後事務委任契約では、持っている性格が異なります。遺言書の内容は一方的なものです。仮に遺言書に「葬儀一切は○に任せる」と書いたところで、当の○さんに「そんな面倒なことやりたくないよ」と言われてしまえばそれまでです。実行力がないのです。その点、死後事務委任契約は、あくまで「契約」なので、委任者と受任者双方が納得して締結するという性質を持っているため、受任者は契約を実行しなければなりません。

 

受任者は、任意後見契約同様に弁護士でもかまいません。しかし、赤の他人である弁護士が、葬儀一切を取り仕切るというのは、現実的に考えにくいでしょう。その場合、受任者を弁護士にしておき、「葬儀については○(子どもなどの親族)に委託する」という文言を入れておくといいでしょう。

 

親族に受任者になってもらう場合、受任者を弁護士にして親族に再委任する場合、いずれの場合も、本人の許諾が必要になります。

 

その点で、「誰を受任者(あるいは再受任者)にするか」ということについて、多少のトラブルが発生する可能性があります。関係する親族には、この契約の主旨について、きちんと説明しておいた方がいいでしょう。

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