「糖尿病が原因で脳梗塞にもなる?」歌手の西城秀樹さんも

病気を未然に防ぐ「栄養学」と「食品機能学」に加え、老化についても最前線の研究成果を紹介する。知らず知らずのうちにストレスをため込んでいませんか。健康的な生活を送るために役立つ「食事の知恵」や「医学の意外な常識」を明らかにします。本連載は東海大学農学部バイオサイエンス学科の永井竜児教授の『間違いだらけの栄養学』(辰巳出版)から一部を抜粋し、読んで効く「読むくすり」をお届けします。

西城秀樹さんは糖尿病が原因で脳梗塞?

2018年5月、人気歌手の西城秀樹さんが享年63歳で亡くなり、早すぎる死にファンだけでなく多くの人びとが驚いたことは、いまも記憶に新しいことでしょう。

 

西城さんは動脈硬化が進んで46歳のときからたびたび脳梗塞を発症し、発話がうまくできない構音障害や右半身まひが残っていたそうです。晩年はリハビリをつづけながらもステージで懸命に「Y・M・C・A・」の振りつけをして歌う姿がテレビにも映りました。

 

その西城さんが、40代の前半から糖尿病を患っていたことが、遺族の手記から明らかになり、多くのメディアが報道しました。西城さんは、ふだんから活発な運動をしているイメージが強いですが、日常は芸能界ならではの不規則なハードワークの中、真夜中の暴飲暴食やストレスなど、カラダに負荷のかかる生活をつづけていたことが、糖尿病の引き金となったのかもしれません。

 

糖尿病はいまや国民病といってもおかしくない病気。
糖尿病はいまや国民病といってもおかしくない病気。

 

糖尿病はいまや国民病といってもおかしくない病気です。この病気の何がそんなに問題かというと、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる太い血管、さらには3大合併症といわれる「網膜症、腎症、神経症」の原因となる細い血管が早く老化してしまい、一度進行すると完治が難しい血管障害を引き起こしてしまうことです。

 

しかし、糖尿病が原因で脳梗塞、さらに認知症となってベッドでの生活を余儀なくされた患者さんが最終的に亡くなっても、その死亡診断書には、亡くなった日の直接的原因が記載され、「糖尿病が原因による……」とは書かれません。

 

実際、僕の父親は糖尿病による脳梗塞となり、5年経って亡くなりましたが、死亡診断書に糖尿病とは一言も書かれていません。倒れてからずっとベッドで過ごしていたことから、臓器全体の働きが弱まり、死亡診断書には多臓器不全と書かれていました。しかし元をたどると、糖尿病から始まり、高血糖によって血管の壁が傷ついて老化し、脳梗塞発症、多臓器不全に至ったわけです。西城秀樹さんの最終的な死因は急性心不全でしたが、父がたどった道筋とほぼ一緒でしょう。

東海大学農学部 教授

1999年(平成11)3月熊本大学大学院医学研究科修了・博士(医学)。専門分野は、食品機能学、生化学。サウスカロライナ大学客員 助手を経て、熊本大学大学院医学薬学研究部病態生化学講 座・助教。東海大学農学部バイオサイエンス学科食品生体調 節学研究室准教授を経て、2017年4月同教授。生体のさ まざまな代謝経路から生成する終末糖化産物(AGEs)を測定し、糖尿病合併症のマーカーへの応用性を検討している。また AGEs抑制をはじめ、糖尿病合併症のようにかかってからでは完治が困難な疾患を予防する食品成分を探索している。日本メイラード学会、国際メイラード学会、日本抗加齢医学会、日本酸化ストレス学会等の評議員を務める。テレビ朝日系『林修の今でしょ! 講座』、テレビ東京系『主治医が見つかる診療所』等にも出演。トマトの栄養素「リコピン」「エスクレオサイドA」に関して講義をし、トマトのパワーが大きな話題に。近著に『間違いだらけの栄養学』(辰巳出版)がある。

著者紹介

連載健康長寿になる「食べ物」と「食べ方」の最新常識!

間違いだらけの栄養学

間違いだらけの栄養学

永井 竜児

辰巳出版

病気を未然に防ぐための栄養学と食品の機能に加え、老化についての最前線の研究成果をもとにしながら、日々の健康的な生活に役立つ食事の知恵や、栄養学と医学の意外な常識を明らかにする。 本書に書かれている健康づくりの…

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