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しかし、コロナ感染拡大の下では、物流システムの機能低下の代替指数と見なされており、当該指数の低下は経済活動の改善を示唆すると考えられていますが、6月の入荷遅延指数は56.9と前月から急低下しました(図表2参照)。米国のビジネス環境が正常化に向かっている兆しの可能性も考えられます。
ISMのレポートには調査に協力した方からの代表的なコメントも紹介されています。やはり回復は想定以上という声があるなか、今後に慎重な声も見られます。
たとえば、コロナの感染再拡大を懸念する声もあります。またISMによると回答の多くは米国の感染再拡大により経済活動の一部制限が再び実施される前に送られたという点に注意は必要です。構成指数では、雇用は製造業、非製造業ともに、改善はしていますが水準は低くなっています。経済活動再開を受け、6月の雇用統計でも短期的な雇用者数の増加は見られました。しかし縮小した米国雇用市場がコロナ以前に戻る、本格的な回復には時間がかかるように思われます。
一部に見られる大恐慌を引き合いにだすような悲観的見方はやや行き過ぎと思いますが、過度に楽観的な見方には警戒感も必要と思われます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米ISM景況指数、経済再開を受け急回復の注意点』を参照)。
(2020年7月7日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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