IMF世界経済見通し、何よりも感染を恐れる

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、マーケットレポート・ヘッドライン。日々のマーケット情報を専門家が分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

 

国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ギータ氏は先月月初すでに4月の世界経済見通しを下方修正することを示唆しており、発表された数字に意外な点は少ないと思われます。それでもIMFが下方修正したのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化などを想定しているからのようです。市場の認識とズレが無いかの確認は怠れないと思われます。

IMF世界経済見通し:コロナ感染拡大の影響から世界の成長率予想を下方修正

国際通貨基金(IMF)は2020年6月24日、最新の世界経済見通し(WEO)を公表しました。IMFは4月に示した成長率予想を下方修正し、20年の世界GDP(国内総生産)成長率はマイナス4.9%としました(図表1参照)。4月時点の予想はマイナス3.0%でした。また、21年は前回予想の5.8%増から5.4%増に引き下げました(図表2参照)。

 

IMFは、世界全体のGDPが来年までの2年間で約12兆5千億ドル(約1300兆円)失われるとの試算を示しました。

どこに注目すべきか:世界経済見通し、下方修正、リスクシナリオ

IMFのチーフエコノミスト、ギータ氏は先月月初すでに4月の世界経済見通しを下方修正することを示唆しており、発表された数字に意外な点は少ないと思われます。それでもIMFが下方修正したのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化などを想定しているからのようです。

 

まず、6月のWEOの中で、特色のある地域を見ると、20年の成長率については先進国がマイナス8.0%に引き下げられています。国・地域では米国とユーロ圏の成長率見通しが大きく引き下げられています。政策的な経済活動の制限が成長率を低下させた点と、人々の自発的な制限を指摘、そのため今年後半、制限が緩められたとしても回復は緩やかとなる可能性をIMFはある程度織り込んでいるようです。米国などでは足元、新規感染者数が増える傾向にあり、政策的な経済活動の制約が一部ながら再開されている点を踏まえても下方修正は妥当であると思われます。

 

ただ、米国5月の小売売上高が前月比17.7%と急回復したように、米国などでは財政政策である程度、個人の懐に余裕も見られます。この点の組込み度合いの確認は必要です。

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケットレポート・ヘッドライン

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧