人生100年時代…。社会現象となった「熟年離婚」は、生活や金銭のストレスだけでなく、寿命でさえも左右してしまいます。夫婦円満の秘訣を学び、熟年離婚の危機に備えましょう。今回は、性差医療専門医・清水一郎氏の著書『ストップthe熟年離婚』から一部を抜粋し、夫婦関係の満足度を引き下げる原因である「家事・育児の分担」について解説します。

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日本は、世界一「夫が家事・育児をしない」国

多くの妻にとって夫婦関係の満足度を特に引き下げているのが夫の家事・育児の分担率の低さです。悲しいことに日本男性は世界一家事・育児を分担しないのです。

 

時すでに遅し…
時すでに遅し…

 

[図表]は、国際的な調査プロジェクト「家族と性役割に関する意識調査」(2012年)として発表された衝撃のデータです。

 

[図表]子どものいる夫婦の家事・育児に占める夫の分担時間率

 

日本の夫は世界でも極めて例外的な家事・育児を分担しない集団で、調査対象33カ国の中で最下位に甘んじています。欧米諸国の「18歳未満の子どものいる夫婦」の夫が、軒並み30パーセント以上の比率で家事・育児時間を分担している中、日本の夫は、唯一2割にも届かない約18パーセントの分担率でしかないのです。

 

そして、家事・育児の分担状況に対して、男性の6パーセントが自分の分担量は適当と思う以上に「かなり」多いか「やや」多いと感じています。女性では69パーセントが適当と思う以上に多い(「かなり」と「やや」の合計)と答えているのです。この日本男女の差63パーセントがいわば分担に対する女性からみた不公平感や不満となるのですが、なんと、男女差「63パーセント」は世界の調査対象国のトップです

 

つまり、日本の妻は自分の家事・育児分担量に対して、夫以上に世界一の不公平感・不満をいだいていることになります。結婚生活が長くなるにつれ、特に強く感じる瞬間があるようです。それは、妻が、たとえば休日に突然の外出で慌ただしくしているときに、「俺の食事、どうなっている?」などと夫が他意もなく聞いたときなどです。

 

結婚5年目に離婚した事務所の事務スタッフAさん(仮名、33歳)は、「別れた亭主は、家事や育児をほとんど手伝ってくれませんでした。その頃の私は専業主婦でしたから、自分がやるべき仕事だと思ってあえて言いませんでした。それに、お願いしてやってくれても慣れない夫のサポートだと、私がまたやり直す必要があったりして、二度手間です。ただ、一度だけありましたよ。

 

休日に次男が突然に高熱を出し、病院に行くときです。長男の世話をお願いしたのです。そのときですよ、『俺の食事は?』と言うじゃないですか。私が何を言い返したか忘れるほど、頭に血が上っていましたし、悲しくもなっていました」といっていました。

 

最近熟年離婚をしたBさん(63歳)も同様の経験があるようで、「実家の母が体調不良というので、夕方見に行くことにしました。職場の主人に電話して、外食するようにお願いしたら、急に怒り出して、夕食を用意しろ、と。しかたなく準備しました」としみじみ述懐しています。

次ページ日本男性「家事・育児分担時間」の詳細

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