妻と子供が出ていって10年…その理由は?
「別居して10年ですね……」と力なく話すAさん。妻が子供を連れて出ていってから、長い年月が経っていました。
Aさんとその妻は、「何で2人は結婚したんだろう?」と疑問をもたれるような夫婦でした。Aさんは堅実で真面目、付き合いの悪いタイプ。一方の妻は社交的で派手好き、人たらしとよくいわれるタイプ。正反対の2人でしたが、結婚したとき、妻は「結婚するなら真面目で堅実な人がいいのよ。浮気の心配もないし」と吹聴していました。
結婚後、妻は仕事をやめ、家事に専念。子宝にも恵まれ、家族3人、幸せな生活が続いていくものと思われました。しかし、結婚して10年。妻は突然子供を連れて出ていったのです。
「退屈でもう無理! あの人と一緒にいるなんて、耐えられない!」
表向きは生活の不一致。しかしAさんは知っていました。実は、ずいぶんと前から妻は不倫をしていたことを……。
「自分といても退屈なんだろうな、と諦めていました。家のことも、子育ても、きちんとしてくれていたので、目をつぶるしかないと思っていましたが……」
そんな諦めの境地にいるAさんに対して、「普通、怒るでしょ、不倫なんて知ったら。でも怒らないのよ、あの人。結婚してからずっと、あの人は、私に興味がないのよ」と妻。そんなことをいっていると耳に入っても、Aさんは何もいうことはありませんでした。そればかりか、別居中の妻と子のために、生活費を出していたといいます。
別居を始めてからしばらく経つと、どうやら妻は不倫関係を解消したらしいことをAさんは耳にしました。しかし妻はAさんのところに戻ることもありませんでした。「いまさら戻りたくない」という妻に対し、「子供が成人するまでは、僕が面倒を見ないと」とやはり生活費を出し続けるAさん。
そんな姿を、歯がゆく見ている人がいました。Aさんの姉と妹です。「不倫をして、勝手に家を出ていった人に、なんでお金を払い続けているのよ!」と、Aさんは何度も怒られたといいます。しかしそれでもAさんは、別居中の妻を金銭面で支え続けたのです。