不動産投資のメリット(3)節税効果
次に、不動産投資の節税効果についてです。
不動産投資で物件を購入すると、賃料収入が発生するので、毎年確定申告をしなければいけません。
研修医や勤務医の給与収入の他にアルバイト収入も得ているあなたなら、当然確定申告をしていると思いますが、不動産を購入して家賃収入を得ると、それが不動産所得として加算されて、翌年の申告で所得税と住民税の対象になります。不動産所得の金額は、次のように計算します。
「総収入金額-必要経費=不動産所得の金額」
総収入金額とは、賃貸の1年間の家賃収入のことです。必要経費とは、固定資産税、不動産取得税、損害保険料、減価償却費(*)、修繕費、仲介手数料、不動産管理費、税理士報酬、図書費、交通費などの経費です。
多くの場合、総収入よりも必要経費の金額のほうが大きくなるので、不動産所得は赤字になります。これが節税効果になるのです。不動産所得の赤字が給与所得と合算(損益通算といいます)されると、総所得の額が減るので、税金も少なくなるわけです。
たとえば、あなたの課税される所得金額が1000万円で不動産所得がゼロだとすると税率は33%なので、330万円が所得税としてとられることになります。これに対して、もしマイナス100万円の不動産所得があったとすれば、損益通算されて「1000万円-100万円=900万円」が課税される所得金額になります。900万円の税率は23%ですから、所得税は207万円。すなわち、不動産所得がゼロのときよりも120万円余り税金が安くなります。確定申告すれば、給与から天引きされて多くとられていた所得税のぶんがのちに還付金として戻ってきます。
このように、不動産投資をすると節税効果のメリットがあるのです。ただし、多くの人が誤解をしているのですが、節税効果は長く続くものではありません。還付金が毎年必ずあるわけでもありません。
なぜなら、必要経費の部分が年を経るごとに減っていくからです。物件を購入した1~2年目はさまざまな諸経費がかかるので節税効果はたしかに大きいのですが、3年目以降も同じというわけではないので、注意が必要です。あくまで、節税効果はメインとして考えないほうがいいでしょう。
*減価償却費=不動産の購入価格をそのまま経費として計上することはできない。その代わり、経年による価値の目減り分を 減価償却という一定の方法で減価償却費として計上する。計算は次のとおり。「建物価格×償却率=減価償却費」。償却率は 国税庁の「減価償却資産の償却率表」を参照。