医師も時代の変化を感じなければいけない
これから資産形成を始めようと考えている医師の皆さんは研修医、もしくは勤務医として働かれている方が多いでしょう。これから自分のキャリアを歩むわけです。大きく分けると、医師としてのキャリアの選択肢は次の4つになります。(1)大学の医局にそのまま残るか、(2)市中病院の勤務医を選ぶか、(3)非常勤のフリーランスになるか、(4)医師として開業するか。いずれの道を選択したとしても、やがては結婚し、子どもが生まれ、家族と生活する可能性も考えなければなりません。20年後、30年後の自分自身と家族について、あなたはどのような人生設計を描いているでしょうか。
ご存知の通り、サラリーマンとは違い、医師には定年がありません。生涯現役で働くことができるのですが、医師は当直やオンコールなど、体力と精神力をすり減らす仕事が多く、24時間勤務だといえるほどの激務です。あなたはそれに耐えて、生涯現役で働き続ける自信がありますか。
年齢が若ければ、将来については不安よりも希望のほうが大きいでしょう。けれども、いまはどんな分野でも変化が早い時代です。医療業界も例外ではありません。現に、2018年から新しい専門医制度が始まって、これまでの研修医の制度が変わることになりました。他にも高齢者医療の拡大、病院の廃止や統合、AIの導入など、医療現場にも変化が起き始めています。
また医師は、国の医療政策によって状況が大きく変わります。現在の日本では社会保障が厚く、医療費により財政が圧迫されているのが現状です。保険点数の改定などにより、現在の水準の給与が保てない可能性は十分にありえます。これからの時代、医師の世界でも何が起こるかわからないのです。ただ、医師は高給取りであるがゆえに、堅実に貯蓄をする人が少ないように思います。もし、働けなくなったら、収入が極端に減ってしまったら。そのような可能性も考えて、将来を見据える時期が来ているのではないのでしょうか。