不動産投資の最大の懸念点「空室リスク」。膨大な物件数のなかから選ばれるには、どうすればよいのでしょうか。※本記事は、幻冬舎MC『入居希望者殺到の人気物件に化ける 築古マンション超復活メソッド』より一部を抜粋・編集したものです。

「SNSを使って入居者募集」は最善策といえない

フェイスブックやツイッター、LINEなどを使ってオーナー自ら入居者の募集をするのも、手法としてはありだと思います。ただこれには限界があります。

 

例えばフェイスブックで下準備として友人をどんどん増やす。これ自体は結構あっさりある程度の数字になると思います。問題はそのあとで、その友人たちの記事を読んだり「いいね!」を押したり…一人ではとても大変です。だからといって無視していては、いざ広告を載せても、普段「いいね!」を押してくれない人の記事なんて、だれも見てくれません。

 

インスタグラムは、写真が上手なオーナーだと、もしかしたらある程度効果が期待できるかもしれませんが、こちらも極めて限定的です。

 

オーナー個人がSNSを活用する場合は、「入居希望者が見つかれば儲けもの」くらいの気持ちで始めるのがちょうどいいと思います。

 

むしろ、管理会社がSNSによる計画的な入居者募集活動を企画して、それ専用の人材を置いて対策を行うのが理想でしょう。そのくらいしっかり体制を組んでやらないと、結果が得られないということです。

 

いまの子どもたちの世代が大人になるころには、生まれたときからインターネットが劇的に普及している世界だったわけですから、いまよりネットに対してのとらえ方がより生活に根差していると思います。そのころには、もしかしたら「仲介会社なんてなくても、SNSだけで家は探せる」という時代が来るかもしれません。

 

不動産の話題からはそれますが、物流や食品業界などではすでに軒並み仲介問屋や代理店の類は不要という流れができつつあります。

 

現状の物件探しにおいては、仲介会社の役割を担えるほどの効果を、ネットには期待できません。

 

しかし、可能性はありますし、最も大切なことは情報発信の場として活用できるということです。オーナーや借り手は、いろいろな情報を求めてネットサーフィンをしています。どんな会社なのか? 代表はどんな人物なのか?…など、こうした疑問に応えられる土台だけは、企業として作っておかなければなりません。

 

例えば、オーナーや借り手が会社のことを調べようとホームページを見たときに、それに加えてSNSで代表者の考え方がリアルタイムで見られることが望ましいということです。ビジネスは、最終的には人対人。ネット時代になろうが何も変わっていない。その相手の考え方を知ること、そして知らせることが重要なのです。そう、昔から実は何も変わっていない、シンプルな関係なのです。

戦略的な活用が重要…各ポータルサイトの特徴とは?

欠かせないのが、ポータルサイトへの出稿です。有名どころからあまり知られていないサイトまでさまざまですが、ここでいくつかご紹介させていただきます。それぞれに掲載費用の違いなど、特徴があります。

 

 suumo(スーモ)

 

いわずと知れた、物件検索の大手サイトです。運営元は、株式会社リクルート住まいカンパニー。賃貸住宅の募集広告の草わけ的な存在である「住宅情報」を長らく運営し2009年より統合ブランド「suumo」を展開しています。

 

老舗だけあって、入居募集広告の件数はもちろんのこと、さまざまな検索軸があり狙っている入居者をピンポイントで集めることもできます。例えば、「楽器相談可の賃貸物件特集」「宅配ロッカーがある賃貸物件特集」「家具や家電が付いている賃貸物件特集」など、実に豊富な検索軸から好みの物件を見つけることができます。

 

 

このほか、付随する情報サイトも目白押しです。その中には、オーナー向けのページもあり、貸し出す物件の郵便番号など必要な情報を入れると賃料の相場を知ることができます。またエリアごとの不動産会社情報も豊富で、その会社がオーナーにとってどんなサービスを展開しているのか、という点まで把握できます。

 

肝心の物件掲載費用ですが、老舗価格です。今回紹介するポータルサイトの中では高額です。他社に比べ反響が良く効果が出る可能性は高いのですが、それに合わせて費用も高額。ただ、実績があるので多くの不動産会社が出稿しています。

 

 LIFULL HOMEʼS(ライフルホームズ)

 

運営元は株式会社ライフル。suumoより後発のサイトとはいえ、短期間で総掲載物件数がナンバーワン(産経メディックス調査2017・1)になった住宅ポータルサイトです。

 

suumo同様多彩な検索ができるほか、電話による無料相談も受け付けています。「希望条件が多く検索がうまくいかない」といったユーザーにも、一件一件電話で対応してくれるという、大手サイトの割には、非常に小回りの利くユーザーフレンドリーな対応を取っています。インターネットがそれほど得意ではない方も利用しやすそうです。

 

このほか、全国の自治体が管理する空き家や空き地を調べられる「空き家バンク」や、全国の自治体ごとの空室率や家賃相場、物件掲載数などが調べられる「見える賃貸経営」など、興味深い情報サイトも充実。投資にも活用できそうなポータルサイトに仕上がっています。

 

認知度の割には低額ですが、プラス反響課金制度があります。反響が入るたびに契約の規定料金が徴収されます。

 

 マイナビ賃貸 

 

運営元は株式会社マイナビ。物件の検索機能の充実ぶりに加え、住まいと暮らしをテーマにしたコラムが充実しています。注目エリアや、人気駅周辺のレポート記事などは、住居エリアを検討している人にとってはとても参考になります。

 

特集企画には「合格前に物件予約が可能な不動産会社特集」など、若者をターゲットにした内容を大きく打ち出しています。各大学から通いやすい住宅に絞って検索できる機能なども充実。必然的に若い層の反響に強い印象のあるポータルサイトです。

 

 アットホーム 

 

全国の不動産会社が持つ情報を加盟する会社で共有できるようにするビジネスモデルを最初に手掛けたのがアットホーム株式会社。いまでは当たり前となっている業者間の仕組みを構築してきた会社だけあって、同社のポータルサイトは業者への対応力が高いです。

 

不動産業者と宅建業許可を持っている人だけが閲覧できる、不動産流通機構が運営するレインズ(不動産流通標準情報システム)や、宅建協会が運営するハトマークサイトへ、情報をコンバートする機能が付いています。この二つの業界サイトは、ほぼすべての物件を掲載しているので、その手間が省けます。

 

 キマRoom! 

 

株式会社セイルボートが運営する、業者間流通と業務効率化を図るために開発された民間の便利サイト。完全会費制で、閲覧も登録も業者しか行えません。レインズにはない検索軸やほかの業者へ物件情報を配信できるサービスなどがあり、ほかの業者へ自分たちが管理する物件をアピールすることができます。

 

さらに、ここでも紹介してきた民間のネット媒体、suumoやLIFULL HOMEʼS、さらに自社サイトへ物件情報をコンバートして一括入稿することができます。マイソク(募集図面)も登録情報から自動生成されるなど、日常の業務のスリム化にも大きく貢献するツールです。

 

エンドユーザー向けか業者向けか、コストをかけても急いで入居者を募りたい、コストは抑えたい、はたまた全世代というより主に若者向けに効率よくリーチしたい…など。時期や希望に応じて、戦略的に最適なポータルサイトを使われるのがいいでしょう。オーナーも、各ポータルサイトの特性をなんとなく理解して、管理会社や仲介会社とディスカッションしてみてください。

 

[図表2]ポータルサイトの特徴

 

小山 友宏

株式会社アークマネージメント 代表取締役

 

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    小山友宏

    幻冬舎メディアコンサルティング

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