新型コロナウイルス感染症が上場会社の開示実務に与える影響(アップデート)

本記事は、西村あさひ法律事務所が発行する『金融ニューズレター(2020/4/15号)』を転載したものです。※本ニューズレターは法的助言を目的とするものではなく、個別の案件については当該案件の個別の状況に応じ、日本法または現地法弁護士の適切な助言を求めて頂く必要があります。また、本稿に記載の見解は執筆担当者の個人的見解であり、西村あさひ法律事務所または当事務所のクライアントの見解ではありません。

 

※本ニューズレターは2020年4月14日までに入手した情報に基づいて執筆しております。

 

※本記事は、2020年4月10日に公開した『新型コロナウイルス感染症が上場会社の開示実務に与える影響について』のアップデート情報です。

 

※2020年4月23日、アップデート②が公開されました。

 

2020年4月10日に公開しました金融ニューズレター「新型コロナウイルス感染症が上場会社の開示実務に与える影響について」に記載のとおり、金融庁は、2020年2月10日付で、やむを得ない理由により有価証券報告書及び内部統制報告書並びに四半期報告書を法定の提出期限までに提出できない場合は、財務(支)局長の承認により各書類の提出期限の延長を認める旨を公表していましたが、2020年4月14日に、新たに金融商品取引法上の開示書類の提出について一律に提出期限の延長を認めることを公表いたしました※1

 

本金融ニューズレター執筆時点において詳細は不明ですが、金融庁は、2020年4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されたことに伴い、今後、3月決算企業をはじめとする多くの企業において、決算業務や監査業務を例年どおりに進めることが困難になることが想定されることを踏まえ、企業や監査法人が、決算業務や監査業務のために十分な時間を確保できるよう、有価証券報告書、四半期報告書、半期報告書及び親会社等状況報告書の提出期限について、企業内容等の開示に関する内閣府令等を改正し、企業側が個別の申請を行わなくとも、一律に本年9月末まで延長するとしています。

 

一律に本年9月末まで延長する
一律に本年9月末まで延長すると公表

 

なお、臨時報告書については、新型コロナウイルス感染症の影響により臨時報告書の作成自体を行うことができない場合には、かかる事情が解消した後、可及的速やかに提出することで、「遅滞なく」提出したものとして取扱われる旨が改めて公表されており、この点については従前の取扱いから変更がないものと思われます。

 

また、上記の金融庁の公表を踏まえて、株式会社東京証券取引所は、2020年4月14日に、決算発表の日程について上場会社に対して改めて自社の決算作業等の進捗状況を的確に把握し必要な対応を検討する旨の要請を行うと共に、同取引所の有価証券上場規程第601条第1項第10号に規定する「有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延」について、上場会社が上記に従って新たに定められる期日(2020年9月末)までに有価証券報告書等を提出しなかった場合に限って適用する旨を公表しています※2。そのため、有価証券報告書等の提出時期に加えて、上場会社の決算発表の日程にも一定の影響が及ぶ可能性がある点にも留意が必要と思われます。

 

※1 金融庁「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を踏まえた有価証券報告書等の提出期限の延長について」(2020年4月14日)(https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20200414.html)

 

※2 株式会社東京証券取引所「『有価証券報告書等の提出期限の延長』に伴う決算発表日程の再検討のお願い」(2020年4月14日)(https://www.jpx.co.jp/news/1020/20200414-01.html)

 

 

濃川 耕平

西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士

 

杉本 健太郎

西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士

 

髙木 拓実

西村あさひ法律事務所 弁護士

 

 

関連情報

2020年4月10日 新型コロナウイルス感染症が上場会社の開示実務に与える影響について

2020年4月23日 新型コロナウイルス感染症が上場会社の開示実務に与える影響について(アップデート②)
 

西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士

2000年、東京大学法学部第一類(LL.B.)卒業。2007年、University of Virginia School of Law(LL.M.)卒業。2001年、第一東京弁護士会登録。2007年~2008年、Norton Rose法律事務所(ロンドン)に勤務。

【主な著書等】『企業労働法実務相談』(共著、商事法務、2019年3月)、『M&A法大全(上)(下)[全訂版]』(共著、商事法務、2019年1月)、『社債ハンドブック』(共編著、商事法務、2018年7月10日)、『新株予約権ハンドブック[第4版]』(共編著、商事法務、2018年3月)、『資金調達ハンドブック〔第2版〕』(共編著、商事法務、2017年12月)、『種類株式ハンドブック』(共著、商事法務、2017年9月)、『ファイナンス法大全(上)[全訂版]』(共著、商事法務、2017年8月)、『REITのすべて〔第2版〕』(共著、民事法研究会、2016年12月)、『会社法実務相談』(共著、商事法務、2016年11月)、『資本・業務提携の実務(第2版)』(共著、中央経済社、2016年9月16日)、『新株予約権ハンドブック[第3版]』(共編著、商事法務、2015年6月)、『資本・業務提携の実務』(共著、中央経済社、2014年12月20日)、『論点体系 金融商品取引法[1]・[2]』(共著、第一法規、2014年7月10日)、『新株予約権ハンドブック[第2版]』(共著、商事法務、2012年6月25日)

著者紹介

西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士
ニューヨーク州弁護士

1996年、早稲田大学法学部(LL.B.)卒業。2006年、Georgetown University Law Center(LL.M.)卒業。2000年、第一東京弁護士会登録。2007年、ニューヨーク州弁護士登録。2006年~2007年、Simpson Thacher & Bartlett LLP(ニューヨーク)に勤務。

【主な著書等】『社債ハンドブック』(共著、商事法務、2018年7月10日)、『ファイナンス法大全(上)[全訂版]』(共著、商事法務、2017年8月)、『新会社法のすべてQ&A』(共著、中央経済社、2005年8月)、『ストックオプション拡充と改正法による新株発行実務』(共著、中央経済社、2002年02月)

著者紹介

西村あさひ法律事務所 弁護士

2017年、一橋大学法学部(LL.B.)卒業。2018年、一橋大学法科大学院中退。2019年、第一東京弁護士会登録。

著者紹介

連載西村あさひ法律事務所 ニューズレター

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