日経平均株価が節目の2万円を上抜けていくには力不足
週明け4月20日(月)の東京株式市場では、日経平均株価は反落しています。前の週末17日(金)の米国株式市場でNYダウは大きく上昇しましたが、東京市場においてはすでに17日(金)の大幅高で織り込まれています。このNYダウの急騰は、米国のトランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大で停滞している自国経済に関して、早期の立て直しに意欲を示していることが背景にあります。
しかし、土日の間に報じられているところでは、連邦政府による「経済再開」の方針に対し、医療関係者はもちろん、州知事から反発の声が相次いでいます。野党である民主党系の知事だけでなく、与党である共和党系の知事も難色を示しているところが多いと伝えられています。
現地のメディアも時期尚早との見方で一致しているようです。被害の最もひどいニューヨーク州ではこのところ感染拡大に歯止めがかかりつつあるものの、依然として高水準であって減少に転じているわけではありません。この状況で人々が街に出てくると、感染拡大の第2波、第3波がやってくると指摘しているところもあるようです。
日本株独自の要因もあります。まず、日経平均株価が節目の2万円を上抜けていくには材料が乏しく、力不足という点です。
今週から3月期企業の決算発表が徐々に増えてきますが、これを見極めてからでなければ投資戦略を立てられないと考える投資家は多いようです。かなり悪いだろうとか、今年度の見通しを未定とする企業は多いだろうというのはコンセンサスですが、どの程度かはブル(強気)派、ベア(弱気)派で見方が大きく割れています。
輸出(輸入)企業にとっては為替レートも気がかりであり、米ドル円が円安になるのか、円高になるのかも、金融関係者の間で見方が割れています。見通しが立たず、不透明感が強ければ、買い進んでいくのをためらうのは仕方がありません。
国内では建設株の弱さが目立つ
日本の金融マーケットで先週から話題になっているのが、建設株の弱さです。建設大手、いわゆるゼネコン各社の株価は軒並み大きく下げています。
きっかけは、清水建設が4月13日(月)に、都内のある現場で従業員3人が新型コロナウイルスに感染し、うち50代の男性1人が亡くなったと発表したことです。死亡した男性はもともと発熱があり、PCR検査後も体調不良で自宅待機をしていましたが、その後、容態が急変したとされます。新型コロナウイルスの感染が判明したのは亡くなった後のことでした。
これを受けて、清水建設では従業員の安全確保や感染拡大防止のため、政府が発令した緊急事態宣言の対象地域に含まれる約500の現場について、その宣言が終了するまで閉鎖する方針を示しました。
結局、この動きは建設セクターの他の企業にも広がり、首都圏などでは大型工事がストップしているところは多いです。そうなると、資材を提供しているセメント会社などにも影響は出てきます。悪影響がどこまで広がるのか不透明であると、投資家から嫌気されています。
東京オリンピック・パラリンピック関連の工事はおおむね終了していますが、2019年の台風15号、台風19号による被害の復興・復旧工事はまだまだです。これらが止まったり、工事が遅れるリスクもあります。
新型コロナウイルス関連だけでなく、建設セクターのニュースや、株価の値動きは今週も注視する必要がありそうです。
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