「相続税の税務調査」に 選ばれる人 選ばれない人
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要注意!「100万円を必ず受け取れる」わけではない
個人向けと法人向けがありますが、法人向けは税理士や会計士などのアドバイザーがサポートしてくれますので、本記事では個人事業主向けの給付金について説明していきます。
◆現金給付(100万円コース)の要件とは
前回説明した30万円の現金給付とは異なり、「一定の要件をみたせば100万円受け取れる」というものではありません(関連記事『緊急事態宣言に伴う「30万円現金給付」真の対象者を知る方法』参照)。あくまで事業者(フリーランス含む)の売上減少分を補填してくれるというものであり、その上限が100万円となっているのです。
したがって、以下の計算で算出した売上減少額が100万円に満たない場合、その金額しか給付を受けることができません。裏を返せば、なるべく落ち込んだ月のデータで計算したほうが有利になるということです(100万円が限度のため、すでに減少額が100万円を超えているなら当月で計算していただいて問題ありません)。
[計算式]
給付額=前年の売上高−(前年同月比で50%以上ダウンした月の売上×12ヵ月)
「前年の売上」を証明できない場合はどうなるのか?
◆どの月を選択すればいいのか?
「早いタイミングで少しでも多く受け取りたい」というのが国民全体の願いですので、50%を割り込んだなるべく早い月を選択するのが自然でしょう。
この給付金は2020年1月から12月の売上が対象となりますが、コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえれば、1月や2月時点で前年比50%ダウンしているケースは少ないと考えられます。
早い業界では3月から売上がダウンし始め、4月に入ってからは飲食店や娯楽施設なども含め、多くの店舗が50%以上ダウンしています。
銀座のホステスさんのように、緊急事態宣言より前からお店から客足が途絶えたため、出勤調整をされて売上(事業主なので給料ではない)がゼロというケースすらあります。その場合は、4月分のゼロ売上が確定したらすぐに申請したほうがいいことになります。ただし、前年同月でまだ働いてないため事業収入がない場合(たとえば学生)は対象となりません。
◆前年の売上はどう証明するか?
フリーランスの場合は通常確定申告をしていますので、確定申告書に記載されている2019年の売上をもとに給付額を計算することになります。しかし、前年同月の売上と比較するには、そもそも2019年の各月の売上がわからなければ計算できません。
青色申告を行っているのなら、2面に月ごとの売上と仕入額を記入しているため、そこから把握することが可能です(記載を省略している場合もよく見かけますが…)。白色申告の場合は、そもそも毎月の売上を記載する欄がないことに加え、元帳の作成が義務付けられていないので証明するものがありません。
4月11日現在、これらの扱いは明らかにされていませんが、オンライン申請が前提となっていることからそれぞれが自分なりの資料を添付することは考えづらく、結局は自己申告とならざるを得ないと考えられます。
ちなみに日本政策金融公庫へ提出する「新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少の申告書」においては、証拠書類の提出はなく所定欄に記入するだけで「後日、根拠資料の提出をお願いすることがございます」と注書きされているのみです。
青色申告でない限り、確定申告は所得が発生していなければ申告の義務はありません。そのため、「昨年売上があったけど、経費のほうが多かったから無申告」という方もいることでしょう。そのようなケースで売上が激減していたら…と考えると、必ずしも確定申告をしていることが要件とはならないかもしれません(本来の申告納税を怠っていたにも関わらず、給付のときだけ申請するという人がでないよう、チェックしてほしいものです)。
◆まだまだ分からないことだらけ
売上減といっても、「前年は個人事業主で今年は法人成りした場合」「今年になって親の事業を承継した場合」「コロナ感染拡大と関係なく事業を縮小した場合」「前年は給与収入で今年独立した場合」などケースは様々。今後どのような対応になるのか不明点は多いですが、4月24日を目途に詳細が公表されるようです。業種や資金使途を問わず、申込みから最短で7日、平均で14日での給付を目指しているとのことですので、期待したいですね。
国税・地方税・社会保険料の納税猶予、固定資産税の減免、返済免除の特例貸付などもありますので、併せて検討したいところです。
内藤 克
税理士法人アーク&パートナーズ 代表社員/税理士
ハワイ相続プロジェクト・代表
著書に『残念な相続』(日本経済新聞社)など
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