日本株は「緊急事態宣言」後、不安定な相場となった
当面の注目イベントとされていた「緊急事態宣言」が4月7日(火)になされましたが、安倍首相の会見の内容に特に新鮮味がないとして、無難な通過となりました。一部には警戒感もあったようですが、事前の想定内となり、安心感もあって、8日(水)の日本株は大きく上昇したという解説も聞かれます。
週央以降は2月期企業の決算発表が相次いでいるため、個々の企業から出た材料に個別に反応しているといった印象ですが、全体をみると不安定な値動きです。前日比3ケタの下落、3ケタの上昇を行ったり来たりするなど、方向感が定まりません。
これは、政府の「緊急事態宣言」を受け、対象となる7都府県が自粛要請で話し合ったものの、足並みがそろわなかったためです。厳しい姿勢の東京都に対し、他の府県は補償の点などで折り合えませんでした。結局のところ、折り合えない点などは「様子をみる」となり、先送りとされたため、積極的に売買を行うには消化不良と判断されたためとのようです。
4月第2週(6日~10日)は週初の6日(月)から3日続伸となったため、週間ベースでは上昇して1週間の取引を終えています。
4月第3週は日米で決算発表が相次ぐ
3月マネーストック
決算発表:ファミリーマート、コスモス薬品、イズミ、高島屋、サムティなど
休場:英国、香港(イースターマンデー)
決算発表:東宝、松竹、吉野家、ドトール日レス、タマホーム、松屋、ハブなど
中国3月貿易収支
決算発表:JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど
3月訪日外国人客数
決算発表:ヨシムラフード、日置電など
20財務大臣・中央銀行総裁会議(テレビ会議)
韓国総選挙
米3月小売売上高
米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数
米3月鉱工業生産
ベージュブック
決算発表:バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ユナイテッドヘルス・グループなど
3月首都圏マンション販売
決算発表:いちご
米3月住宅着工件数
米4月フィラデルフィア連銀景気指数決算発表:アボットラボラトリーズ、インテュイティブ・サージカル、ハネウェルインターナショナルなど
2月第3次産業活動指数
決算発表:アークス
中国1~3月期GDP
中国3月工業生産中国3月小売売上高
米3月景気先行指数
4月第3週(13日~17日)は、国内では引き続き企業決算が注目材料です。小売店、飲食店が多く予定されています。一方で、経済統計では特に注目のものはありません。15日(水)の3月訪日外国人客数あたりが挙げられますが、メディアでは「大幅減少!」と取り上げられても、少ないのはもともとわかっており、マーケットへの影響は限られそうです。
海外では、テレビ会議にて行われるG20財務大臣・中央銀行総裁会議が注目されそうです。金融緩和の方向で何らかの合意があれば、相場が動くかもしれません。
米国企業の決算では、金融セクターの各社に注目が集まります。特にサプライズはないだろうとの見方がマーケットでは多いようですが、株式下落に伴う減損損失といったネガティブな話が出てくるリスクはあり、注意が必要です。
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