コロナ相場の米国株…金融各社の決算や中国の経済統計に注目

不安定な展開が続く米国株式市場ですが、新型コロナウイルス関連のネガティブなニュースはあるものの、4月9日(木)は大きく上昇しました。FRBの異例ともいえる政策が好感されたようです。今後の相場がどうなるのか、4月第3週の海外市場における注目点をまとめてみました。

FRBの政策を好感して米国株は大幅高となった

4月10日(金)の東京株式市場では、日経平均株価は買いが先行したものの、伸び悩む展開です。前日の米国株式市場では、NYダウが大幅高となったため、これを好感して寄り付きは上昇して始まりました。

 

ただ、今夜の欧米市場が祝日で休場となるため、積極的に買い上がるムードではなく、様子見ムードといったところでしょうか。

 

FRBは新型ウイルス感染に対応した支援策として、新たに最大2.3兆ドルを供給する措置を発表した。
FRBは新型ウイルス感染に対応した支援策として、新たに最大2.3兆ドルを供給する措置を発表した。

 

米国市場について、詳しく見てみます。9日(木)の米国株が上昇した理由は、中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が新型ウイルス感染に対応した支援策として、新たに最大2.3兆ドルを供給する一連の措置を発表したことです。

 

小規模企業や州・地方政府の支援プログラムも開始します。このように、FRBが直接、企業に資金を供給するというのはかなり異例です。パウエルFRB議長は「FRBは回復まで力強く、積極的に行動する」、「米国が回復軌道に戻るまで貸出力を高める」などと発言しており、前のめりの姿勢が好感されているようです。

コロナでNY州の1日当たり死者数は最多を更新した

この日の米国市場のトピックは多くありました。10日(金)は米国が「聖金曜日」の祝日となるため、2日分のニュースが一気に伝えられた印象です。

 

政治的なもので言えば、CNNの調査「2020年の米大統領選に向けた全米ベースの世論調査」において、バイデン氏の支持率が53%、トランプ氏は42%となったことです。トランプ大統領に対するバイデン前副大統領のリードは前月からほぼ変わっていません。金融関係者の多くは共和党の支持者が多いのですが、トランプ氏の政策や振る舞いをよく思っていない人は少なくなく、民主党政権になっても、オバマ政権下で安定した実績を残したバイデン氏の大統領就任を望む声は多いようです。

 

米国ではないのですが、良いニュースとしては、新型コロナウイルス感染の治療で集中治療室(ICU)に入っていた英国のジョンソン首相が、一般病棟に移ったと伝えられていることもあります。一時は為替相場で英ポンドが急落しましたが、足もとでは落ち着きをみせています。

 

悪いニュースとしては、ニューヨーク州の死者が1日当たり最多の799人となったことでしょう。同州のクオモ知事が会見して明らかにしたもので、過去最多が続いています。

 

また、このところ注目度がグッと高まっている新規失業保険申請件数ですが、3月29日~4月4日分は660.6万件となりました。市場予想の550.0万件を上回り、厳しい雇用情勢がうかがえます。前回発表分については686.7万件と、664.8万件から上方修正されており、かなりネガティブなニュースです。

4月第3週は米国の企業決算と中国の統計に注目

悪いシナリオは織り込まれたとは言っても、新型コロナウイルス関連のニュースは引き続き注意してみなければなりません。とりわけ、ニューヨーク州をはじめ、新型コロナの感染者数はアタマ打ち感が出ておらず、拡大が続いて、政財界の重鎮(大物)が感染したとでもなれば、米国株も米ドルも急落するリスクがあります。

 

4月第3週(13日~17日)の注目点は、決算発表です。米国もNYダウ構成銘柄だけでなく、主力企業の決算が相次ぎます。14日(火)はJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、15日(水)はバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ユナイテッドヘルス・グループが予定されています。

 

このほか、中国の経済統計も注目されそうです。14日(火)は3月の貿易収支、週末の17日(金)は1~3月期GDP、3月の小売売上高が予定され、新型コロナウイルスの影響がどうなのか、世界中の金融関係者が見守っています。

 

これらはいずれも「悪いだろう」ということでコンセンサスが形成されています。それがどの程度悪いのかが問題で、米国の金融各社が発表する決算、中国の経済指標を通じて、水準感を探ることになりそうです。

 

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