英国名門パブリックスクールの「バンコク校」
あまり一般的に知られていませんが、タイ・バンコクには150校以上ものインターナショナルスクールが存在し、国内外から多くの生徒たちが通っています。なかでも人気が高いのが、英国系のインターナショナルスクールです。その筆頭格といえる学校に「Shrewsbury School(シュルーズベリ校)」※1のバンコク校※2があります。
英国では、13歳〜18歳の子どもを教育する私立学校の上位校を「パブリックスクール」といいます。とくに有名なのが「Clarendon Commission」※3と呼ばれる、1861年の王立委員会で名前が挙がった上位9校で、イートン校、ハーロー校、ラグビー校などとともに、今回ご紹介する「シュルーズベリ校」も含まれています。
このシュルーズベリ校(Shrewsbury School)は、1552年に設立され、450年以上の長い歴史を誇ります。最も有名な卒業生は、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンでしょう。
キャンパスがあるのは、欧米人に人気が高いマンダリンオリエンタルホテルやシャングリラホテルといった高級ホテルが並ぶ、チャオプラヤ川沿いです。
※1 Shrewsbury School(シュルーズベリ校)HP
※2 バンコク校
通いやすく教師の質も高い、英国式の手厚い教育環境
バンコクは、都市内の電車(高架電車・地下鉄)の路線網が発達してきているとはいえ、まだまだ道路の渋滞が厳しい状態です。しかしシュルーズベリ校は、最寄りの駅から送迎の船が出ているので、交通渋滞の影響を受けずに通学できます。
また、シュールズベリ校と同じ敷地のなかにChatriumというホテル、コンドミニアムがあります。同校の生徒の半数以上、先生の9割以上がこのChatriumに住んでいるとのことです。
学校教育において、どのような教員が教壇に立つかは非常に重要です。シュルーズベリ校では、すべての先生を英国からスカウトしており、その質にはとても自信を持っています。
ヨーロッパ人にとってアジアでの仕事は一時的な出稼ぎになりやすく、バンコクのインターナショナルスクールも例外ではありません。離職率も高くなりやすく、バンコクでは一般的に20%程度とされていますが、シュルーズベリ校では約8%と低めに抑えられています。1人の先生が長期にわたって生徒を見守り続けるというのも、シュルーズベリ校の強みだといえるでしょう。
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また、バンコクのインターナショナルスクールは、学校によって国籍や人種の比率が異なります。シンガポールインターナショナルスクールのように、シンガポール系を中心に中国語話者の比率が高いスクールもありますし、全体的に見てタイ人が多いスクールもあります。シュルーズベリ校は、白人の生徒の比率が高いようです。
子どもの創造性を育む、柔軟性に富んだカリキュラム
最近の日本の幼稚園では、読み書き、数字、英語といった早期教育に力を入れているところも多いですが、シュルーズベリ校の幼稚園では、泥遊びや水遊びなどを禁止することなく、子どもたちにやりたいことをやらせ、創造性を伸ばしていこうという方針です。
幼稚園の教室を見回しても、遊び道具はすべて木などの自然素材で、子どもたちに最高の環境を提供しようとする意気込みが伝わってくるようです。
また、日本の小学校では、各科目ごとに教科書に沿った学習を行うことが一般的ですが、シュルーズベリ校の小学校では、すべての学科をひとつのテーマに沿って行います。この学習法は、インターナショナルスクールでは比較的よく見かけるものです。
たとえば「この1ヵ月は『探検』というテーマで勉強する」と決まると、探検家の話を読んだり、探検家の行った場所(たとえば、アフリカや北極など)について調べるといったアプローチで、ひとつのテーマを包括的に学んでいきます。
学校も家族も、子どもたちのチャレンジをバックアップ
課外活動も充実しており、とくに芸術やスポーツに力を入れています。
音楽では、ピアノ、バイオリン、ドラムなどの好きな楽器を選んで、演奏を学ぶことができます※4。キャンパス内には600人が収容できるホールがあり、演奏会も頻繁に開かれています。
スポーツでは、水泳、サッカー、バスケットボールなど、日本でも一般的なクラブから、ゴルフ、スカッシュ、クリケットといった英国で人気のスポーツまで、さまざまなクラブ活動があります。
さらに、シュルーズベリ校のポータルサイト※5から、学校のスポーツチームの試合や結果を見ることができ、学校全体はもちろんのこと、生徒たちのファミリーが一丸となって学校のスポーツチームを応援している様子もうかがえます。
※4 音楽への取り組み
英米を中心に一流大学へ進学する卒業生たち
シュルーズベリ校(バンコク校)の進学先を見てみましょう。昨年の卒業生111人は、平均して4つの大学に合格しています。英国系の学校であるため、英国の大学や米国の大学への合格が多くなっています。たとえば、英国ではケンジブリッジ大学(6人)、インペリアル・カレッジ・ロンドン(18人)、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(30人)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics and Political Science)(6人)などです。
米国の大学では、スタンフォード大学(1人)、ハーバード大学(1人)、ペンシルバニア大学(1人)、カリフォルニア大学バークレー校(1人)、コロンビア大学(1人)、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(5人)などです。
英国・米国以外の大学への合格もあります。例えば、カナダのトロント大学(1人)、中国の清華大学(1人)、香港大学(3人)などです。インターナショナルスクールのなかでも、これらの進学実績は非常に素晴らしいといえるでしょう。
シュルーズベリ校(バンコク校)への入学方法は、次回の記事でご紹介したいと思います。
小峰 孝史
OWL Investments
マネージングディレクター・弁護士
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