Airbnb利用者は「あえて予定を立てずに」行動する!?
Airbnbで高い稼働率を維持するには、利用客のニーズを捉えることが重要です。彼らが何を求めてAirbnbに来るのかを知り、戦略を練りましょう。
Airbnb利用者は、通常のホテルに宿泊する外国人旅行客とは、好みが大きく異なるということは連載第8回で述べました。彼らは、「外国人向けにつくり込まれた不自然な和風」にはあまり関心がなく、「現代のありのままの日本の部屋」を求めてきます。そのため、自分で自由に選べる旅行形態をとります。
几帳面な日本人には驚きかもしれませんが、欧米から日本に来るAirbnbゲストの多くは、綿密な旅行プランを立てていない印象です。せいぜい、その日はどのエリアに向かうか、食事はどういったお店でとるか程度のアバウトな予定だけで、多くの日本人のように1日のスケジュールをきっちり決めているケースは珍しいほうです。
たとえば、彼らが渋谷の近くに泊まったとすると、ある1日はそこからひたすら街と街の間を歩いてみて、目に入った定食屋にふらっと入ってみる、といったことをやったりします。
東京の都心部・山手線圏内は街と街の間が近く、それでいて街ごとの個性がはっきりしているので、こういった楽しみ方に非常に適した街だと言えるかもしれません。
渋谷の人混みを抜けて、原宿のおしゃれなセレクトショップが立ち並ぶエリアに来たかと思えば、明治神宮があり、さらに進むと公園があって、公園を抜けるとまた代々木や新宿などの都会がある・・・といったように、ただ歩くだけでもさまざまな発見があるのが東京です。
Airbnbの利用客はこうした偶然の体験に楽しみを見出す人が多いため、予定を立てずにその日の出来事を楽しむのが当たり前なのです。
クリエイティブな職業の人が多いという傾向も・・・
彼らにとって最大の関心事の1つが、日本の「食」です。多くの利用者が日本食の素晴らしさを認めており、滞在中にどれだけ日本食を味わうことができたかで満足度が変わってきます。
Airbnb利用者は、通常のホテル利用客に比べて、クリエイティブな職業の人が多いという特徴があります。デザイナー、エンジニア、ライター、カメラマン、ブロガーなどが多く利用しています。
こうした職業の人たちは、どちらかと言えば新しい物好きで、社交性が高く、多少のアクシデントはむしろ楽しんでしまうような人が多いと言えるでしょう。そのため、旅の計画を立てずに気分に任せて行動したり、自国にはない珍しい食べ物に興味を抱いたりするのだと思います。
利用者の出身国の多い順に並べてみると、最も多いのがアメリカ人です。続いて、中国人です。中国人は2月の旧正月に日本に旅行することが根づきつつあるため、2月には中国人の利用者の割合が増えます。アメリカ人は3〜5月に多くなる傾向があります。