株の売買はデイトレードとその他で分けて考える
株の売買をする時、あなたは自分の取引環境に合わせた頻度で売買をしていると思います。比較的多くの方は兼業投資家でしょう。この場合、限られた時間に株価をチェックして、売買注文を出すことになります。株価やチャートを常に見ていられるわけではないので、売買もデイトレと持越しのスイングトレードが、なんとなく混ざった形になっているかもしれません。
一方、専業トレーダーで短期の売買を得意とする方は、デイトレードをすることが多いかもしれません。場中に板とチャートを見ていられるので、自分のルールに従い、いつでも何回でも売買できます。これに加えて、中長期向けのスイングトレードやホールド玉も管理するでしょう。
ここでは主に時間を限られる兼業トレーダーの方への提言になりますが、デイトレード以外の株の売買では場中に株価をチェックするのはなるべく控えましょう。数日ポジションを維持する場合、多くの方は日足や週足の形を目安に売買の判断をするはずです。この時、日中の株価の動きは原則として無視しないと、余計な売買で損をするケースが増えてしまうのです。
これは、あなたが未熟だからという理由ではありません。試しに、一日中チャートと板の前に座れる日を作ってみるとわかりますが、当初予定していた売買ルールがあるにもかかわらず、株価の動きを見ていると、なんとなく売買してしまうものなのです。専業トレーダーも、最初の難関が、この「なんとなく売買」をどれだけ減らすか、ということになります。
兼業・専業にかかわらず、投資成績を向上するには、デイトレードとその他の売買を分けて、ルール通り行えるようにすることが重要になります。しっかり覚えて、実践してください。
参考にする情報も「売買頻度で仕分け」
余計な、なんとなく売買を避けるために、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。あなたはきっと、勉強熱心で多くの書籍やネット記事を毎日のように見つけて参考にしているでしょう。この時、その参考記事がデイトレード向きか、そうでないかの判断をしっかりしてほしいのです。
多くの書籍やネット記事は、デイトレード向きとそれ以外の投資の区別をしないで、様々な情報を提供しています。これを間違ってとらえると、あなたの資産を危険にさらすことになります。
たとえばデイトレードは、一日のうちの値動きを使って小さい利益を積み上げていきます。そのためトレードする銘柄の値動きは、上昇トレンドの途中でも、倒産間近の最後の大きな値動きでも、どちらでも構わないわけです。しかし、もしこの基準をスイングトレードに当てはめて数週間ポジションを維持した場合、倒産間近の銘柄は急落、もしくは倒産してしまうかもしれません。
この一点をとっても、デイトレードとそのほかの投資スタイルでは、銘柄の選定からエントリー・エグジットまで、別の売買手法として扱う必要があるとわかるでしょう。あなたの大事な資産を減らさないためにも、参考にする情報がどちらに向いているか、意識して判断することを忘れないでください。
株式投資の収益を分ける「売買頻度」
あなたが株の売買をする理由は、資産を増やすことだと思います。これまで説明したように、参考にした情報をデイトレと区別しないでなんとなく売買すれば、その目的は遠のくばかりになります。
書籍やネット記事の情報は、短期で儲かる方法から、ファンダメンタルズ分析を中心に長期で儲かる方法まで、儲け方に注目してまとめられているものが多くあります。しかし、実際に資産を増やすためには、どの手法を選ぶにしても、適切な売買頻度でトレードすることがとても重要になります。しかし残念ながら、その点についてしっかりと解説してくれている情報源は、ほとんどありません。
小型急騰株を売買するときも、大型銘柄のトレンドフォロー売買をするときも、自分の売買頻度を軸にトレード判断をするということが大切です。今後は、どんな情報を参考にする時も、自分の売買頻度に当てはめて、しっくりくるやり方を続けることで、投資収益を上げていってください。