WHOが「新型コロナ・パンデミック化」に言及…市場の反応は

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これまで局所的に感染が拡がっていた新型コロナウイルスはここ数日間で世界的に感染が拡大、新たな局面を迎えつつある。WHO(世界保健機関)は世界的流行を意味するパンデミックが起こる可能性について言及したほか、米CDC(疾病対策センター)もパンデミックが近づいていると懸念を示した。パンデミック化した場合の経済的影響は甚大だ。

中国では感染者数の増加ペースが鈍化するも、中国以外では逆に加速

WHOによれば中国における新型コロナウイルスの感染者数は2/27時点で78,630人(前日比+0.6%)となり、ここ数日で明らかに増加ペースが鈍化した。一方、中国以外の感染者は3,664人(同+25.6%)と伸び率が加速しつつある(図表1)。特に感染者が拡がっている国は韓国やイタリア、イランであり、各国が水際対策で感染拡大を防ぐことがますます困難になっている(図表2)。これを受けて世界の株式市場は2/21から大きく下落する展開となり、韓国株やイタリア株が大幅安となったほか、南米大陸で初の感染者が出たブラジルでも株式市場が急落した。さらに、これまで堅調に推移してきた米国株も下落に転じ、大幅続落の展開となった。

 

日次、単位:人、期間:2020年1月21日~2020年2月27日出所:WHO
[図表1]新型コロナウイルス感染者推移 日次、単位:人、期間:2020年1月21日~2020年2月27日
出所:WHO

 

日次、単位:人、期間:2020年1月31日~2020年2月27日 出所:WHO
[図表2]国別感染者数推移 日次、単位:人、期間:2020年1月31日~2020年2月27日
出所:WHO

パンデミック化の経済的影響は?

投資家が警戒するのは新型コロナウイルスのパンデミック化だ。韓国やイタリア、イランだけでなく、GDP(国内総生産)で世界全体の約1/4を占める米国でも感染が拡がった場合、世界経済への影響は計り知れない。世界銀行による過去のパンデミックをモデルケースとした推計(世界GDP変化率)では、軽度(1968年-69年の香港インフルエンザ)で0.7%の下振れ、中等度(1957年のアジア・インフルエンザ)で2.0%の下振れ、重度(1918年-19年のスペイン・インフルエンザ)で4.8%の下振れとなっている。今回の新型コロナウイルスが香港インフルエンザと同等であれば比較的軽微にとどまるが、中等度以上であれば甚大な影響が予想される。

 

パンデミック化の分水嶺となりそうなのが米国だ。米国の感染者数は足元で徐々に増加しているほか、2/26には初の感染源不明の症例がCDCから報告された。中国との人の往来が頻繁であるサンフランシスコ市も非常事態宣言を出すなど、状況は日々刻々と変化している。

 

新型コロナウイルスのパンデミック化に備え、引き続き公益や不動産といった相対的にリスクの低いセクターやゴールド等に分散投資をし、ポートフォリオのリスクを下げて資産運用を行うことが当面重要になるだろう。

 

※GDP変化率は初年度、軽度は香港インフルエンザ、中程度はアジア・インフルエンザ、重度はスペイン・インフルエンザがモデルケース  出所:世界銀行よりピクテ投信投資顧問作成
[図表3]パンデミック化の経済的影響度(GDP変化率) ※GDP変化率は初年度、軽度は香港インフルエンザ、中程度はアジア・インフルエンザ、
 重度はスペイン・インフルエンザがモデルケース
出所:世界銀行よりピクテ投信投資顧問作成

 

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナウイルス パンデミック化の経済的影響』を参照)。

 

(2020年2月28日)

 

 

田中 純平

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト

 

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系運用会社に入社後、14年間一貫して外国株式の運用・調査に携わる。主に先進国株式を対象としたアクティブ・ファンドの運用を担当し、北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードを受賞。アメリカ現地法人駐在時は中南米株式ファンドを担当し、新興国株式にも精通。ピクテ入社後は、ストラテジストとしてセミナーやメディアなどを通じて投資家への情報提供に努める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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