投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、DEEP INSIGHT。日々のマーケット情報や政治動向を専門家が読み解き、深く分析・解説します。

調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
5/19(日)>>>WEBセミナー

 

これまで局所的に感染が拡がっていた新型コロナウイルスはここ数日間で世界的に感染が拡大、新たな局面を迎えつつある。WHO(世界保健機関)は世界的流行を意味するパンデミックが起こる可能性について言及したほか、米CDC(疾病対策センター)もパンデミックが近づいていると懸念を示した。パンデミック化した場合の経済的影響は甚大だ。

中国では感染者数の増加ペースが鈍化するも、中国以外では逆に加速

WHOによれば中国における新型コロナウイルスの感染者数は2/27時点で78,630人(前日比+0.6%)となり、ここ数日で明らかに増加ペースが鈍化した。一方、中国以外の感染者は3,664人(同+25.6%)と伸び率が加速しつつある(図表1)。特に感染者が拡がっている国は韓国やイタリア、イランであり、各国が水際対策で感染拡大を防ぐことがますます困難になっている(図表2)。これを受けて世界の株式市場は2/21から大きく下落する展開となり、韓国株やイタリア株が大幅安となったほか、南米大陸で初の感染者が出たブラジルでも株式市場が急落した。さらに、これまで堅調に推移してきた米国株も下落に転じ、大幅続落の展開となった。

 

日次、単位:人、期間:2020年1月21日~2020年2月27日出所:WHO
[図表1]新型コロナウイルス感染者推移 日次、単位:人、期間:2020年1月21日~2020年2月27日
出所:WHO

 

日次、単位:人、期間:2020年1月31日~2020年2月27日 出所:WHO
[図表2]国別感染者数推移 日次、単位:人、期間:2020年1月31日~2020年2月27日
出所:WHO

パンデミック化の経済的影響は?

投資家が警戒するのは新型コロナウイルスのパンデミック化だ。韓国やイタリア、イランだけでなく、GDP(国内総生産)で世界全体の約1/4を占める米国でも感染が拡がった場合、世界経済への影響は計り知れない。世界銀行による過去のパンデミックをモデルケースとした推計(世界GDP変化率)では、軽度(1968年-69年の香港インフルエンザ)で0.7%の下振れ、中等度(1957年のアジア・インフルエンザ)で2.0%の下振れ、重度(1918年-19年のスペイン・インフルエンザ)で4.8%の下振れとなっている。今回の新型コロナウイルスが香港インフルエンザと同等であれば比較的軽微にとどまるが、中等度以上であれば甚大な影響が予想される。

 

パンデミック化の分水嶺となりそうなのが米国だ。米国の感染者数は足元で徐々に増加しているほか、2/26には初の感染源不明の症例がCDCから報告された。中国との人の往来が頻繁であるサンフランシスコ市も非常事態宣言を出すなど、状況は日々刻々と変化している。

 

新型コロナウイルスのパンデミック化に備え、引き続き公益や不動産といった相対的にリスクの低いセクターやゴールド等に分散投資をし、ポートフォリオのリスクを下げて資産運用を行うことが当面重要になるだろう。

 

※GDP変化率は初年度、軽度は香港インフルエンザ、中程度はアジア・インフルエンザ、重度はスペイン・インフルエンザがモデルケース  出所:世界銀行よりピクテ投信投資顧問作成
[図表3]パンデミック化の経済的影響度(GDP変化率) ※GDP変化率は初年度、軽度は香港インフルエンザ、中程度はアジア・インフルエンザ、
 重度はスペイン・インフルエンザがモデルケース
出所:世界銀行よりピクテ投信投資顧問作成

 

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナウイルス パンデミック化の経済的影響』を参照)。

 

(2020年2月28日)

 

 

田中 純平

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト

 

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

【5/7開催】ABBA案件の成功体験から投資戦略も解説
世界の有名アーティスト「音楽著作権」へのパッション投資とは

 

【5/8開催】使わない理由はない!?
金融資産1億円以上の方だからできる「新NISA」活用術

 

【5/8開催】「相続登記」を放置するとどんなトラブルに?!
2024年4月施行「相続登記の義務化」を専門弁護士がイチから解説

 

【5/9開催】認知症対策だけじゃない!
数世代先の相続まで見据えた資産管理・承継ができる
「家族信託」活用術

 

【5/9開催】「海外法人のつくり方・つかい方」
日本に居ながら自分の「分身」を海外に作るメリットは何か?

 

【5/11開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【5/12開催】良い案件を見つける3つの方策とは?
「日本型オペレーティングリース」投資の基礎講座

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録