投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、DEEP INSIGHT。日々のマーケット情報や政治動向を専門家が読み解き、深く分析・解説します。

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

>>>12/10(火)LIVE配信

 

連日報道される新型コロナウイルスの感染者拡大をよそに、S&P500指数は2月13日にザラ場で最高値を更新した。中国に おける工場の再稼動がたびたび延期され、小売やレストランの店舗は一時閉鎖、航空会社は中国行きを減便/休止を余儀なく されるなど、企業活動の停滞が懸念される中でも米国株の上昇が止まらなかった要因は「流動性」にある。

新型コロナウイルス感染拡大のピークはいつか?

中国の保健当局のチームを率いる専門家によれば、新型コロナウイルスによる感染拡大は2月中旬から下旬にかけてピークを迎える可能性があると、一部メディアが2月12日に報道した。米国株式市場でもすでに感染者数の伸び率鈍化をきっかけに、今月から株を買い戻す動きが見られた。

 

しかし、2月13日には湖北省の保健当局が新たな診断方法を導入した結果、2月12日における新型コロナウイルスの感染者数が新たに14,840件増えたと発表、想定以上に感染が広がっている可能性が浮き彫りになった。(図表1)

 

 日次、前営業日比、期間:2020年1月22日~2020年2月13日
[図表1]中国の新型コロナウイルス感染者数伸び率と S&P500騰落率 日次、前営業日比、期間:2020年1月22日~2020年2月13日

米国株の上昇を支えたのは「流動性」

新型コロナウイルスによる経済の下振れリスクが依然として残る中、米国株が最高値を更新する展開となった要因は、 FRB(米国連邦準備制度理事会)による潤沢な流動性供給 が挙げられる。パウエルFRB議長は否定するが、FRBは昨年 10月から毎月約600億ドルの短期国債の買い入れを行っており、これが実質的にQE4(量的緩和第4弾)とマーケットでは認識された。さらに、感染者拡大の影響でFRBによる追加利下げもマーケットでは期待されており、流動性相場を後押しする材料になった。(図表2)

 

 週次、期間:2007年12月26日~2020年2月12日
[図表2]FRB総資産、量的緩和(QE)とS&P500指数 週次、期間:2007年12月26日~2020年2月12日

流動性供給は過度なリスク・テイクの副作用も

FRBによる潤沢な流動性供給はS&P500指数の予想PER (株価収益率)を切りあげ、過度なリスク・テイク(リスクを積極的に取る投資行動)を助長するおそれがある。それはつ まり、市場で大きなリスク・イベントが発生した際に、そのリスク・テイクがすぐさま逆回転する可能性があることを同時に意味する。新型コロナウイルスの感染拡大が早期に終息することを願うばかりだが、投資ではマーケットが想定していないリスクについても考慮する必要がある。新型コロナウイルス の感染拡大によって想定以上に経済が下振れする可能性 が払拭されない以上、公益や不動産といった相対的にリスクの低いセクターに分散投資をし、ポートフォリオのリスクを下げて資産運用を行うことが当面重要になるだろう。(図表3)

 

 日次、期間:2007年12月26日~2020年2月13日※S&P500指数は米ドル建て、配当無し。予想PERは市場予想 図表1-3出所:WHO、Bloombergのデータを基にピクテ投信投資顧問作成
[図表3]S&P500指数と予想PER(12ヵ月先) 日次、期間:2007年12月26日~2020年2月13日※S&P500指数は米ドル建て、配当無し。予想PERは市場予想 図表1-3出所:WHO、Bloombergのデータを基にピクテ投信投資顧問作成

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナウイルスの感染拡大…米国株が最高値を更新したワケ』を参照)。

 

(2020年2月14日)

 

 

田中 純平

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【11/19開催】相続税申告後、
約1割の人が「税務調査」を経験?!
調査の実態と“申告漏れ”を
指摘されないためのポイント

 

【11/19開催】スモールビジネスの
オーナー経営者・リモートワーカー・
フリーランス向け「海外移住+海外法人」の
活用でできる「最強の節税術」

 

【11/23開催】ABBA案件の
成功体験から投資戦略も解説
世界の有名アーティスト
「音楽著作権」へのパッション投資とは

 

【11/24開催】事業譲渡「失敗」の法則
―M&A仲介会社に任せてはいけない理由

 

【11/28開催】地主の方必見!
相続税の「払い過ぎ」を
回避する不動産の評価術

 

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧