株式投資で企業情報を調べる際、日本で最も古く信頼性の高い情報を提供してくれるのが『会社四季報』です。各証券会社の企業情報も、この四季報をもとにしているものが多くあります。本記事では、『会社四季報』ならではのスクリーニング方法などを紹介します。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

株式投資に必須の『会社四季報』とは?

『会社四季報』とは、株式投資のバイブルとされており、毎四半期に東洋経済新報社から発売されています。巨額の資産を運用する機関投資家から、小資金の個人投資家まで、多くの投資家が参考にしており、発売日にはその記載内容によって株価が激しく上下することもあります。

 

個人投資家が株式投資で勝つには?
個人投資家が株式投資で勝つには?

 

しかし、投資初心者のなかには分厚い辞書のような本を見ただけで敬遠したくなる人もいるでしょう。紙媒体では持ち運びにくく、とっつきにくいかもしれませんが、オンライン版もあるので、ポイントを押さえて使いこなせるようになりたいものです。以下に、本とオンラインの特徴を簡単に説明します。

 

本の場合、最大の特徴は、1ページに2銘柄ずつきれいに掲載されていることです。各銘柄の記載項目は決まっているので、ページの構造を覚えれば、1銘柄を調べるのに1分もかかりません。プロの投資家のなかには、発売日に読破し、付箋を打つことを何十年も習慣として続けている人もいます。四季報は、紙のデータベースとして、とても優れた特徴を持っていることがわかります。

 

オンラインの場合、無料版と有料版のベーシックプラン、プレミアムプランがあります。ここでは、ベーシックプランとプレミアムプランの特徴を紹介します。

 

ベーシックプランは月額1,000円ですべての銘柄を観察できます。さらにオンラインならではの特徴として、株価チャートを時間軸やテクニカル指標を選んで表示できます。スクリーニング項目も151項目あり、紙媒体とは段違いに優れた分析を、手軽に行えます。自分のお気に入りの銘柄を登録し、継続監視できるのもうれしい機能です。

 

プレミアムプランは月額5,000円しますが、サービスが大幅に拡張されます。ベーシックプランと同じ項目では、株価がリアルタイム表示になり、スクリーニング項目が262項目、登録銘柄数も1,000まで増えます。これに加え、大株主、社員&役員の検索、業績と企業情報が見られるようになります。こだわりの分析をする場合は、アーカイブから、数十年分のデータを使えることも重宝します。長年発行されてきた四季報の強みをフルに生かしたサービスとなっています。

『会社四季報オンライン』でファンダメンタルズ分析を

紙媒体とオンラインの違いは、解説の通りです。解説からもわかるように、『会社四季報オンライン』は企業を多角的に分析する点において、紙媒体よりも圧倒的に優れています。この分析機能をあなたのトレード手法に役立てられれば、飛躍的に運用成績の向上が見込めるでしょう。

 

ここでは、オンラインの基本的な使い方を解説し、分析機能を最大限に生かすまでの手順を紹介します。

 

まず、サービスは有料を使いましょう。できればプレミアムプランを使い、テクニカル分析だけでなく、アーカイブの有効活用をして、ファンダメンタルズ分析を行います。具体的には、役員の交代時期と株価のパフォーマンスの変化などを分析します。多くのオンライン証券では、テクニカル分析の種類は豊富ですが、役員情報などは中々調べられません。特に、役員交代による株価の動きの変化は、四季報のアーカイブだからこそできると言っても過言ではないでしょう。

 

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析で銘柄を絞り込んだら、登録銘柄リストへ加え、継続観察しましょう。分析はしっかり行っても、継続観察をできる投資家は限られます。銘柄リストへ登録し、一目で多くの銘柄の情報をチェックすれば、時間的な負担を少なくして継続観察ができます。

 

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