簡単に「日経平均を売買する」方法とは?
株式投資をしていれば、必ず日経平均株価を気に賭けることでしょう。あなたの狙っている個別銘柄が日経平均に対してどのように動くかをチェックし、購入のタイミングを計ることもあると思います。相場の地合い次第では、日経平均を空売りしたいと考えたこともあるでしょう。
では実際に、日経平均自体を売買できたら、うれしいと思いませんか? しかも、先物など別口座を開くことなく、現物の株式投資口座で日経平均を売買できれば、収益機会も増えるはずです。
日経平均を売買するということは、日経平均株価に損益が連動するように個別株を売買することをイメージするでしょう。しかし、これを実行するにはトップ10の銘柄だけでも数百万円の資金が必要です。売買の手間を考えると、まったく現実的ではありません。
しかし、そんな希望をかなえてくれる銘柄が、東京証券取引所には上場されています。それは日経平均連動型のETF(Exchange Traded Fund)です。
これには、ブル型とベア型の2種類があります。ブル型は、日経平均の上昇と下落に対し、同じ方向に価格変動します。現物で買えば日経平均と同じ方向に損益が出るので非常に単純です。一方ベア型は、日経平均の値動きに対し、逆の方向に価格が変動します。現物取引では、日経平均が下落していると利益が増えるので、他の現物株のヘッジに使うこともできます。
ETFにより、日経平均の価格変動に対して、2種類の損益を実現できることをお判りいただけたと思います。特にベア型は、日経平均を空売りしたのと同じ効果が得られるので、信用取引口座を開いて空売りする必要がなくなり、非常に便利です。
日経平均空売り型もあるETFの仕組みとは?
日経平均に連動するETFを使えば、日経平均の値上がり、値下がりの両方を、現物株取引で利益にできることを紹介しました。しかし、そもそもETFはどんな仕組みで動いているのでしょうか。ここではETFの仕組みを紹介します。
まずETFは、証券会社などの運用会社が、東京証券取引所に上場させます。その時の目論見書に、ETFが日経平均に対し一定の関係を持って変動することを約束します。このため、私たち一般投資家は日経平均の動くと予想される方向にポジションを持てば利益を上げられるのです。
このETFが適切な価格で動く仕組みは、指定参加者(マーケットメイカー)と呼ばれる、証券会社による需給の調整が鍵になります。マーケットメイカーは、売り板と買い板の少ない方に注文を出します。そして、価格の変動幅が日経平均に対し一定になるように調整します。
ここで覚えておきたいことがあります。もし買いが増えてしまった場合、ETFは足りなくなります。この時、マーケットメイカーはETFを新規発行します。当然、売買高が増えれば取引量も増えるので、マーケットメイカーの収入も増えることになります。価格を操作するために発行数を増やすという点で、ETFは株式と異なった性質を持っていると覚えておきましょう。
これらの仕組みを使えば、日経平均に対して同じように価格が変動したり、逆向きに価格が変動する商品を作れることをご理解いただけたと思います。次は、実際の売買でお勧めのETF銘柄を紹介します。
「日経平均連動型ETF」おすすめの4銘柄
日経平均株価に連動するETFは10銘柄以上あります。発行証券会社が異なるだけで、値動きの仕方が同じものもあります。さらに、空売りと同じ利益を取れるだけでなく、日経平均の変動率に対して2倍の価格変動をするETFも上場されているのです。これだけあると、どれを取引したらよいか迷ってしまうと思います。そこで値動きと出来高を基準に4つの銘柄を紹介します。
1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ
日経平均の変動率に対して2倍の値動きをするETF
1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース
日経平均の変動率にマイナス2倍の値動きに連動するETF
1321 日経平均225連動型上場投資信託
日経平均225に連動
1571 NEXT FUNDS 日経平均インバース
日経平均の変動率にマイナス1倍の値動きをするETF
これらの特徴は、日経平均と同じ変動率、または2倍の変動率をする、ブル型とベア型の銘柄になります。なお、インバースとはベア型のことと考えてください。ほかにも同じ特徴の銘柄がありますが、出来高が大きい順に選びました。実際に取引されるときは、その日の板の厚さなどを確認し、納得できる銘柄をトレードしてください。
先物や信用取引の口座を開設することなく、日経平均の値動きをトレードに活かせるETFは、あなたの投資成績を向上する役に立つことと思います。特に現物株しかトレードしない方は、ベア型をうまく使って、株式市場が不調の時も資産を守れるようにしてください。