豪中銀…政策金利据え置きも「利下げ」の意向は強い模様

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豪中銀は今年になり米連邦準備制度理事会(FRB)と同じ回数の利下げを実施したこともあり、今回の様子見のため据え置きは想定通りです。ただ、今後については、豪経済と関連が深い中国経済の動向や、国内経済に残る問題などを踏まえた政策運営を想定しています。方向としては利下げの意向が強いように思います。

オーストラリア準備銀行:市場予想通り据え置くも、経済指標は利下げ求める内容か

オーストラリア(豪)準備銀行(中央銀行)は2019年12月3日の理事会で、市場予想通り政策金利を過去最低水準の0.75%に据え置くことを決定しました。なお、豪中銀は2019年に6月、7月と10月の3回利下げを実施しています(図表1参照)。

 

日次、期間:2018年12月3日~2019年12月3日 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]豪政策金利と豪ドル(対米ドル)レートの推移 日次、期間:2018年12月3日~2019年12月3日
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

豪統計局が2019年12月4日に発表した7-9月期のGDP(国内総生産)は前年同期比で1.7%と、市場予想(1.7%)に一致し、4-6月期(1.6%)を上回りました(図表2参照)。しかし、水準は低い上、短期的な動向を見る前期比ベースでは0.4%と、市場予想(0.5%)、4-6月期(0.6%)を下回りました。

 

四半期、期間:2004年10-12月期~2019年7-9月期、前年同期比 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]豪GDP成長率と賃金動向の推移 四半期、期間:2004年10-12月期~2019年7-9月期、前年同期比
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:豪中銀、フォワードガイダンス、賃金、GDP

豪中銀は今年になり米連邦準備制度理事会(FRB)と同じ回数の利下げを実施したこともあり、今回の様子見のため据え置きは想定通りです。ただ、今後については、豪経済と関連が深い中国経済の動向や、国内経済に残る問題などを踏まえた政策運営を想定しています。方向としては利下げの意向が強いように思います。

 

 

まず、政策金利を据え置くと共に、フォワードガイダンス(将来の金融政策の方針を示唆)も前月から変更が見られなかった要因を振り返ります。なお、豪中銀は経済についてプラス、マイナス両面を指摘しています。プラス要因としては米中貿易戦争は継続しているものの、豪中銀は懸念をやや後退させている印象です。また、多くの中央銀行が利下げに踏み切り、金融市場の改善も指摘しています。

 

一方で、国内経済については特に雇用市場の回復が鈍い点を指摘しています。例えば、失業率は10月が5.3%と、じり高傾向が続いています。賃金の伸びが鈍いことも豪中銀は今回の声明で強調しており、インフレ率が豪中銀のインフレ目標(2~3%)を下回る1%台での推移となっているひとつの背景と指摘しています。経済について、より詳しい分析はロウ総裁の10日のスピーチを待つ必要がありますが、バイアスとしては雇用市場への懸念が高いように思われます。

 

次に、現在の政策金利は0.75%と、利下げ余地が少ないことも、利下げを慎重にさせた可能性はあります。ロウ総裁は先月下旬、豪州がマイナス金利を導入する可能性は非常に低いと述べています。ただ、必要があれば量的金融緩和(債券購入)の選択を示唆しています。

 

なお、声明の後半でも過去の利下げ(年内3回)の効果を今回は見守りたいと述べています。したがって、データ次第ながら、今後については様子見を継続するよりも、時期を見計らってさらなる利下げを実施する可能性も視野に入れているものと思われます。

 

ちなみに市場では、来年前半の利下げを織り込みつつあります。そうした中、今後の展開を占うと、今回はとりあえず政策金利を据え置いていますが、利下げの機会を模索することが想定され、本格的な据え置きは利下げ後と思われます。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪中銀…政策金利据え置きも「利下げ」の意向は強い模様』を参照)。

 

 

(2019年12月4日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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