出費が多い「50代前後」の子供に贈与すれば喜ばれる
70代は、頭もまだまだ冴さえていますので、この時期に相続や贈与についても本格に的に取り組むことができます。虎の子の不動産以外にも資産があるなら、どんどん相続対策や贈与をしてください。
子供たちはまさに50代前後になっているはず。50代は一番出費が多い時期ですから、この時期に親から資金的な援助がもらえるとすごく助かるはずです。子供が高齢になって、あまりお金が必要ない時期に贈与や相続をされても活かすことができません。まさにこの時期に贈与や相続対策をすることが子供やお孫さんのためになります。喜ばれる時にお金を使うことが一番大切です。お金持ちはお金を使うのがうまいものです。
お金の使い方しだいでその人の評価は変わります。私の友人の加藤オーナーは、少しずつ所有物件を減らしていっています。一般的に拡大をしていく大家さんが多い中で、なぜ物件を減らしていくのか加藤さんに聞いたことがあります。
加藤さんは、自分が若くて自由に動き回れる時に回すことができた物件でも、自分に何かあって大家業に素人の子供たちが突然引き継ぐことになっても大丈夫な物件以外は整理して、現金に変えて贈与資金にしたのです。とにかく子供たちに引き継ぎやすく迷惑をかけないものだけを残すよう物件を減らしていったのです。
不動産投資は相続対策も兼ねた「資産圧縮」の裏技
高年齢になると、基本的には不動産投資に融資を使うことが難しくなります。しかし、こんな時期でも、かなり有効な不動産投資術があります。話を単純にするため、シンプルな数字を使いますが、今までなら5000万円の銀行預金だけが財産なら、相続人にほとんど相続税はかかりませんでした。
しかし、平成27年1月1日以降、相続税の基礎控除額が3000万円に引き下げられ、法定相続人の控除額も1人当たり1000万円から600万円に引き下げられました。こうなるとまともに相続税がかかります。
しかし、この銀行預金で5000万円相当の賃貸不動産物件を購入すると、ざっくりですが、相続税評価は半分ほどになるのです。なんと新しい基礎控除内で相続税はかからなくなります。
今5000万円を定期預金にしても1年の利息は0.025%程度、利息は1万2500円ほどです。これが5000万円の投資不動産なら、10%の利回りなら年間500万円の家賃収入になります。相続税評価も落とせて収入もアップする。老後の心配のためにお金を残しておくくらいなら不動産投資をしたほうが得なのです。
老後は現金や預金で残さず、収益不動産のような資産に変えてしまいます。これだけで一石二鳥の資産圧縮ができます。まさに不動産投資の技です。