民間の格付け機関が「債券の信用リスク」を記号で表現
◆格付けについて、わかりやすく解説
債券とは、債権を証券化したものですが、さまざまな種類があります。国債や社債が有名なところです。その債券投資のなかで、「格付け」という言葉があります。いったい、どのようなものなのでしょうか?
◆格付けとは? なぜ必要?
格付けは、民間の格付け機関が設定しています。どんなもので、なぜ必要なのでしょうか?
基本的に、債券投資では、債券を発行している企業などが経営破たんなどすると、元利金の支払いが滞る可能性が出てきます。国債などでは、安全性が高く、国が破たんしない限りは元本保証であると一般的に考えられます。社債などでは、途中売却すると元本割れなどの可能性もあります。
債券投資というと安全な気がしますが、なかにはリスクの高いものもあるのです。そこで、格付けの必要性が出てきます。民間の格付け機関が、債券の信用リスクを判断できるように、特定の記号で格付けを表現しています。
◆どんな表記で格付けされている?
どのような格付けの表記があるのでしょうか?
ここでは一例として、一般的な格付け会社の例を見てみましょう。
信用リスクが低い順に、
AAA
AA
BBB
BB
CCC
CC
となっています。非常にシンプルです。
民間の格付け機関が債券に格付けをしていますので、期間によって、同じ債券でも評価が異なることもあるようです。また、一部の格付け機関では、格付けの表記も異なります。
BBB以上の債券が「投資適格債」と呼ばれる
◆債券の格付けは、どこまで投資適格対象なの?
さて、上記のように格付けの表記があるわけですが、実際の投資の際に、どのように考えたらよいのでしょうか。一般的には、次のようにいわれています。
●BBB以上の債券を投資適格債
●BB以下のものをジャンク債(ガラクタ債)・ハイイールド債・投資不適格債券
となっています。
なかなか、BB以下の名前は、パンチが効いていますね。
◆格付けをどう判断する?
BBB以上の投資適格債とは、何を意味しているのでしょうか?
それは、償還まで元利金の支払いが滞る心配が「少ない」ものを指しています。一般的には、利率が低い傾向です。
では、BB以下の投資不適格債券はどうでしょうか?
こちらのほうは、償還まで元利金の支払いが滞る心配が「高い」ものを指しています。考え方によっては、債券のメリットが変わってきそうです。そして、リスクが高い反面、利率は高い傾向にあります。
◆どのような格付け会社があるのか?
代表的なところでは、
●スタンダード&プアーズ(S&P)
●ムーディーズ
●格付投資情報センター(R&I)
●日本格付研究所(JCR)
●フィッチ・レーティングス・ジャパン
などが挙げられます。
◆まとめ
投資では、損をすることがあります。さらに投資には、さまざまな種類がありますので、合理的な投資方法や対象などを、じっくりと理解してから行うことが大切です。
佐々木 裕平
金融教育研究所 代表