2019年9月、国税庁により「民間給与実態統計調査」の結果が発表されました。本調査によると、サラリーマンの平均年収は441万円とのことです。年金問題をはじめ、少子高齢化による働き手不足など、老後不安につながる問題が尽きないですが、この年収のなかから資産を形成していくしかありません。資産形成手段の検討には、金融リテラシーの向上が不可欠です。今回は、「金利の種類」について見ていきましょう。

収益率が「利回り」や「利率」で表記されていることが

◆金利の高い銀行を探すときの注意点

 

銀行のキャンペーンなどで、金融商品の収益率が「利回り」または「利率」で表記されていることがあります。同じような気がしますが、微妙に違いますので、まずはそこを理解しておきましょう。

 

◆「利回り」と「利率」の違い

 

●利回り:年平均の収益率を指す用語

 

●利率(表面利率ともいう):年あたりの利子率を表す用語

 

肝心なのは、利率で表記されていると、年間平均での収益率と勘違いをしてしまって、「お得だと勘違いしてしまう」ことがある、ということです。

 

比較する際には、年平均の利回りにして比べるようにするといいかと思います。

 

比較する際には、年平均の利回りにして比べる
比較する際には、年平均の利回りにして比べる

金利とは「お金のレンタル料金」?

◆そもそも金利とは?

 

では、金利について見ていきましょう。

 

ザックリいうと、金利とは、お金のレンタル料金(みたいなもの)です。

 

例えば、レンタルショップであなたが「音楽のCD」を借りたとします。レンタル料金が一泊二日で100円なら、それがそのCDの金利(レンタル料金)ですね。

 

そして、あなたが銀行などで「お金100円」を借りたとします。レンタル料金が1年で「1円」なら、そのお金の金利(レンタル料金)は1%ですね。

 

もちろん、正確にはレンタル料金ではありませんが、イメージとしてはわかりやすいかと思います。

 

◆6種類の金利

 

それでは、6種類の金利を見てみましょう。

 

●固定金利:金利が運用期間の最後まで同じものが続く

●変動金利:一定期間ごとに、金利が見直される(金融情勢による)

●単利:もともとのお金にたいしてのみ利息が発生する

●複利:もともとのお金+「増えたお金」にも利息が発生する

●利払型:利息が一定期間ごとに支払われる

●満期一括受け取り型:満期に一括でもともとのお金と増えたお金が支払われる

 

いろいろな種類がありますが、基本を覚えておくとよいかと思います。

 

◆まとめ どれがいいの?

 

一概に、どれがベスト!とはいえませんが、現在のように低金利の時代では、変動金利が有利だといわれます。また、お金を増やすなら、単利より、複利のほうが有利です。長期なら特に。

 

そして、受け取り方法は、一定期間ごとに受け取ると税金がその都度かかり、複利効果が減りますので満期一括受け取り型が有利になるでしょう。
 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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