2019年9月、国税庁により「民間給与実態統計調査」の結果が発表されました。本調査によると、サラリーマンの平均年収は441万円とのことです。年金問題をはじめ、少子高齢化による働き手不足など、老後不安につながる問題が尽きないですが、この年収のなかから資産を形成していくしかありません。そこで、老後資金の形成手段として「外貨預金」について見ていきます。

「外国通貨の金利や為替益」を得られる可能性が

◆外貨預金とは?

 

外貨預金とは、ドルやユーロなどの外国の通貨で預金するものです。別の言い方をすると、外貨建ての預金商品ですね。メリットとしては、外国通貨の金利や為替益を得ることができる可能性があるところです。

 

金利や為替益を得ることができる可能性が
金利や為替益を得ることができる可能性が

 

◆外貨預金の種類は?

 

一般的に、外貨預金には、次のような種類があります。

 

●当座預金
●普通預金
●定期預金
●貯蓄預金

 

<デメリット①>

 

デメリットとしては、為替相場の動きによって、為替差損が生じる場合があることです。つまり、預金という名前ですが、損することがあるわけですね。

 

一方で、為替のリスク(損得する可能性)を回避するために、為替先物予約をつけて、実質利回りを確定する方法もあるようです(これがいいかどうかは、個人の考え方によります)。

 

<デメリット②>

 

円と外貨との差が小さくなるほどメリットが少なくなります。

 

どういうことでしょうか?

 

外貨に替えたり、円に替えたりして、預金したり、戻したりするわけですね。

 

ということは、両替をしているわけです。そのため、両替の料金が発生します。ここで、コストがかかるため、せっかく外貨で預金しても、実質的な利回りが大きく減ってしまうことがあります。

 

そんな状態のなかで、円の金利が高くなって、外貨との差が小さくなると、コストを支払っても、あまりメリットがなくなってしまいます(それなのに、為替のリスクで損をする可能性が残るので、場合によっては、割が悪いことが考えられますね)。

定期預金の場合、最低金額や通貨単位の設定されている

それでは、そのほかのポイントを4つ見てみましょう。

 

①取扱機関は?

 

●銀行
●信用金庫
●信用組合
●外国銀行 など

 

②預入期間は?

 

定期預金は、短期間が一般的です。1ヵ月・3ヵ月・6ヵ月・1年など、当座預金・普通預金・貯蓄預金は通常の円での預金と同様です。

 

③中途解約できる?

 

定期預金の場合、一般的には中途解約ができません。当座預金・普通預金・貯蓄預金は通常の円での預金と同様ですので、基本的にいつでも引き出せます。

 

④預入金額はいくらから?

 

定期預金の場合、10万円などの最低金額や、通貨単位が設定されていることが一般的です。当座預金・普通預金・貯蓄預金は1通貨単位からが一般的です。

 

◆まとめ

 

外貨預金は人気があるようですが、つみたてNISAなどには入っていません。

 

なぜでしょうか?

 

そこをじっくりと考え、理解し、自分で「自分にとって、理論上、有利なのは何か?」を判断できるようになるとよいかと思います。

 

その上で、外貨預金を自分の資産に入れるかどうかを考えたいところです。

 

 

※金融教育研究所では、金融リテラシーの普及・啓もう活動を行っています。本記事は、外貨預金を推奨するものではありません。金融教育の一環として記すものです。

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

 

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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