プロが多い債券市場だが…個人でも勝てる「普通社債」の選び方

2019年9月、国税庁により「民間給与実態統計調査」の結果が発表されました。本調査によると、サラリーマンの平均年収は441万円とのことです。年金問題をはじめ、少子高齢化による働き手不足など、老後不安につながる問題が尽きないなか、この年収のなかから資産を形成していくしかありません。老後資金の形成手段のうちの1つとしてあげられるのが、「債券投資」です。本記事では、債券のなかでも「普通社債」について見ていきます。

企業が発行する債券が社債、国が発行する債券が国債

◆そもそも債券とは?

 

債券とは、借金の証書のようなイメージです。別の言い方をすると、債権を証券化した感じですね。企業が発行する債券を社債、国が発行する債券を国債、などと呼ばれます。

 

◆普通社債とは?

 

普通社債とは、民間の会社が発行する債券です。または、事業債と呼ばれることもあります。以下のようなものが、一般的に知られています。

 

●電力債(電力会社)

●NTT債

●JR債

●JT債

●一般債(その他の事業会社が発行)

●銀行債

●利付債

 

◆普通社債はどこで売っているの? いつ売れる?

 

証券会社で扱っています。一般的に、株式市場よりも債券市場のほうがプロ(機関投資家)が多いので、より一層、価格に対しては間違いが起こりにくいのではないか、といわれています(例えば、株式や仮想通貨では、実際の価値よりも高い価格が付くことがありますよね。ブームやバブル)。

 

また、基本的にいつでも売れますが、市場価格が毎日変動しています(場合によっては、元本割れが起こり得ます)。

 

◆普通社債の利回りは?

 

一般的に、企業の信用度や年限によって変わり、格付けが低いほど利回りが高い傾向にあります(格付けが低い=信用度が低い)。信用度が低いと、買い手があまりいない、その分価格が下がるので、事実上の利回りが上がる傾向にあります。また、期間が短いほど利回りが低い傾向にも。

 

期間が短いほど利回りが低い傾向に
期間が短いほど利回りが低い傾向に

「国債・地方債」よりも信用度が低い!?

◆普通社債のメリットは?

 

そんな普通社債のメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。

 

●傾向として、国債・地方債よりも信用度が低い=利回りが高い傾向にある

 

●同じ発行会社でも、利回りや期間が異なり、多様な選択肢がある

 

●満期まで持っておくと、額面金額で償還される

 

●原則として、利息は年二回支払われる

 

まさに、社債ですね。

 

◆普通社債のデメリットは?

 

普通社債が国債よりも利回りが高い傾向にある、ということは、次のようなデメリットがあります。

 

●発行している会社が倒産などするリスクがある

 

●途中で売却した場合、元本割れの可能性がある

 

●利回りが低い場合、インフレが強いと、実質的(相対的)に価値が減ることになる可能性がある

 

●インフレに弱い

 

債券投資といえども、元本割れや、倒産などに気を付けないといけないわけですね。また、総じてインフレに弱い傾向にあります。インフレに強いといわれているのは、一般的に株式投資です。

 

◆満期までの期間はどのくらい? いくらぐらいで買える?

 

期間は、各社債によって異なります。2年や20年など、さまざまです。購入単位となる額面は、10万円や50万円、100万円などがあります。

 

◆まとめ

 

債券投資は、個人投資家にとっては、ハードルが高い、といわれることがあります。理由はさまざまあります。

 

例えば、格付けと利回り、価格をどう判断したらよいのかよくわからない、などですね。個人にとって大切なことは「よくわからないものには手を出さない」ことです。変なものに手を出さなければ、少なくとも、失敗はしないわけですから。  

 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

金融教育研究所 代表

1979年生まれ、広島市出身、2013年より金融教育研究所代表(旧名:佐々木FP事務所)

書籍の執筆・個別相談・公開講座(セミナー)を中心に、金融教育を推進中。金融・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っておらず、中立公正な立場から金融教育に努める。定期的に公開講座を開催中。
公開講座ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてニーサを使用した資産形成の普及啓もう活動を行う。

所属学会・協会:行動経済学会/日本FP協会/金融財政事象研究会

著書に「入門 お金持ち生活のつくり方」(こう書房)、「ストレスゼロの絶対貯金」(青月社)、「学校では教えない! お金を増やす授業」(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載1級FP技能士が伝授!賢い個人投資家になるための「正しい金融リテラシー」

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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