企業が発行する債券が社債、国が発行する債券が国債
◆そもそも債券とは?
債券とは、借金の証書のようなイメージです。別の言い方をすると、債権を証券化した感じですね。企業が発行する債券を社債、国が発行する債券を国債、などと呼ばれます。
◆普通社債とは?
普通社債とは、民間の会社が発行する債券です。または、事業債と呼ばれることもあります。以下のようなものが、一般的に知られています。
●電力債(電力会社)
●NTT債
●JR債
●JT債
●一般債(その他の事業会社が発行)
●銀行債
●利付債
◆普通社債はどこで売っているの? いつ売れる?
証券会社で扱っています。一般的に、株式市場よりも債券市場のほうがプロ(機関投資家)が多いので、より一層、価格に対しては間違いが起こりにくいのではないか、といわれています(例えば、株式や仮想通貨では、実際の価値よりも高い価格が付くことがありますよね。ブームやバブル)。
また、基本的にいつでも売れますが、市場価格が毎日変動しています(場合によっては、元本割れが起こり得ます)。
◆普通社債の利回りは?
一般的に、企業の信用度や年限によって変わり、格付けが低いほど利回りが高い傾向にあります(格付けが低い=信用度が低い)。信用度が低いと、買い手があまりいない、その分価格が下がるので、事実上の利回りが上がる傾向にあります。また、期間が短いほど利回りが低い傾向にも。
「国債・地方債」よりも信用度が低い!?
◆普通社債のメリットは?
そんな普通社債のメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。
●傾向として、国債・地方債よりも信用度が低い=利回りが高い傾向にある
●同じ発行会社でも、利回りや期間が異なり、多様な選択肢がある
●満期まで持っておくと、額面金額で償還される
●原則として、利息は年二回支払われる
まさに、社債ですね。
◆普通社債のデメリットは?
普通社債が国債よりも利回りが高い傾向にある、ということは、次のようなデメリットがあります。
●発行している会社が倒産などするリスクがある
●途中で売却した場合、元本割れの可能性がある
●利回りが低い場合、インフレが強いと、実質的(相対的)に価値が減ることになる可能性がある
●インフレに弱い
債券投資といえども、元本割れや、倒産などに気を付けないといけないわけですね。また、総じてインフレに弱い傾向にあります。インフレに強いといわれているのは、一般的に株式投資です。
◆満期までの期間はどのくらい? いくらぐらいで買える?
期間は、各社債によって異なります。2年や20年など、さまざまです。購入単位となる額面は、10万円や50万円、100万円などがあります。
◆まとめ
債券投資は、個人投資家にとっては、ハードルが高い、といわれることがあります。理由はさまざまあります。
例えば、格付けと利回り、価格をどう判断したらよいのかよくわからない、などですね。個人にとって大切なことは「よくわからないものには手を出さない」ことです。変なものに手を出さなければ、少なくとも、失敗はしないわけですから。
佐々木 裕平
金融教育研究所 代表