新聞チラシに載っている「新築物件」を買ってはいけないワケ

2019年9月、国税庁により「民間給与実態統計調査」の結果が発表されました。本調査によると、サラリーマンの平均年収は441万円とのことです。年金問題をはじめ、少子高齢化による働き手不足など、老後不安につながる問題が尽きないですが、この年収のなかから資産を形成していくしかありません。資産形成手段の検討には、金融リテラシーの向上が不可欠です。今回は、不動産投資のリスクについて見ていきましょう。

不動産投資について「初心者」はどう考えるべきか?

資産形成手段としてあげられる不動産投資。現物投資となる不動産投資は、初心者にとってハードルが高く感じるものです。そこで本記事では、初心者が知っておきたい不動産投資における注意点を、6つのポイントに分けて解説します。

 

①「買うかどうかは本人次第」が鉄則

 

不動産投資にはいくつかスタイルがありますが、持ち家も投資商品と考えるのがお金を考える上では重要です。

 

持ち家であっても、

 

●ローンの返済

●経年劣化による価値の減少

●転勤などに伴う空室リスク

●各種リフォーム費用の発生

 

などについては、投資用の不動産と同じように考えることが、お金では重要だと思います。

 

「持ち家は特別な存在だ!」と感情を入れすぎると、合理的な判断ができなくなりやすいですので気をつけたいところです。

 

ただ、やはり人によっては「家」というのは、特別な存在になりやすいので、結局は本人が一番満足する「家」がベストだということになりますが。

 

では、それを踏まえた上で、不動産におおむね共通の注意点を見ていきましょう。

 

②新築物件ほど不利なワケ

 

新聞を取っていますか?

 

取っている方は、日曜日の新聞のチラシを見てください。新築マンションや、戸建て住宅のチラシがわんさか入ってますね。これらの新築の物件は、持ち家にせよ、投資用にせよ、不利だといわれています。

 

なぜでしょうか?

 

それは、新築価格には、次の料金が上乗せされているからです。

 

●チラシ代

●テレビコマーシャル代

●営業マン代

●新築に携わった人・企業の利益(お給料)

 

そのため新築物件は、最初から割高、つまり不利な条件であるという見方をすることができます。

 

新築物件は割高?
新築物件は割高?

「割高なものには手を出さない」のが基本

③紹介される物件ほど不利?

 

ある程度収入がある方は、(どこから情報が洩れているのか知りませんが)職場などに、投資用の不動産物件の営業が来ることがあります。

 

これについては、どのように考えるべきでしょうか?

 

この場合は、「紹介される物件」は不利だから最初から相手にしない、という考え方をすることがあります。

 

たとえば、本当に掘り出し物の物件なら、専門家である売り手の人(営業マン)は、

 

●他人に売りません

●ローンを組んででも、自分で買うはず(儲かるのですから)

●売れないから素人(割高だと気が付かない人)に売る

●良いものなら、営業をしなくても即完売する(競争が働くため)

 

と考えることができます。

 

物件を紹介されたら、別の角度から考えるクセをつけてみましょう。不動産にせよ、他の投資にせよ「割高なものには手を出さない」のが基本です。

 

④人口が減る?

 

また、今後は人口が減っていくことが考えられます。投資先としては、都心に集中することが考えられます。割安だからといって、田舎に物件を買っていては、将来困るかもしれません。

 

⑤空き家が増える?

 

また、持ち家にせよ、投資用にせよ、今後はすさまじい勢いで、中古の空き家物件が増えていきます。マンションでも、戸建てでも、です。

 

1年や2年の話ではなく、20年後、30年後のお話です。

 

これを考えると、

 

1.空き家が増える

2.売りたい人が増える

3.買いたい人は少ない(人口減少のため)

4.低価格競争が発生

5.買い手は安くてよいものが買える

 

ということになります。

 

持っている人は不利に、持っていない人は有利になるかもしれません。

 

⑥人生を変える最終奥義は「引っ越し」

 

そして、流動性も重要です。

 

持ち家にせよ、投資用にせよ、ローンを組んで買うと、長い場合は数十年間手放しにくくなります。

 

そして、人生には思いがけずに困るときもあります。

 

●こどものいじめ問題

●こどもの将来の夢

●会社員の転勤

●近隣住民とのトラブル

●騒音問題

●日当たり

●働き方を変えたい(転職)

●高齢化に伴う移動、買い物、通院の問題

 

このようなとき、最終的に引っ越しをすれば、一気に問題が解決することもあります。少なくとも、現状が最悪の状態なら、改善へと結びつきやすくなります。

 

先行きの見通せない人生だからこそ、いつでも動けるようにしておくことが重要ではないでしょうか。

 

◆まとめ

 

本記事では、不動産投資に関する、注意点をいくつか記しましたが、「不動産投資が危ない!」ということをいいたいのではありません。

 

「よく分からないものには投資をしない」というのが大切です。

 

現実には、不動産の専門家(売り手)の方が不動産投資をして、うまくいっている例もお聞きしたことがあります(そうでなくては、日本からビルやマンションが消えますね)。 必要なのは、どの投資であっても、正しい金融知識ではないでしょうか。

 

 

※本記事は、現物の不動産投資を推奨するものではありません。また、現物の不動産投資が必ずしも、いけない、というものでもありません。お金の知識教育の一環として記すものです。

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

金融教育研究所 代表

1979年生まれ、広島市出身、2013年より金融教育研究所代表(旧名:佐々木FP事務所)

書籍の執筆・個別相談・公開講座(セミナー)を中心に、金融教育を推進中。金融・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っておらず、中立公正な立場から金融教育に努める。定期的に公開講座を開催中。
公開講座ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてニーサを使用した資産形成の普及啓もう活動を行う。

所属学会・協会:行動経済学会/日本FP協会/金融財政事象研究会

著書に「入門 お金持ち生活のつくり方」(こう書房)、「ストレスゼロの絶対貯金」(青月社)、「学校では教えない! お金を増やす授業」(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載1級FP技能士が伝授!賢い個人投資家になるための「正しい金融リテラシー」

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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