「月別稼働率」を把握し、月間売上の最大化を狙う
多くの不動産オーナーを悩ませる「賃貸アパート、マンションの空室率」。この問題をAirbnbは一掃してくれます。
筆者の会社は、Beyond Pricing(ビヨンドプライシング)という米サンフランシスコのAirbnb価格最適化ツールの開発会社と提携し、私の会社が運営するAirbnb物件の価格最適化を行っています(2015年11月時点は東京のみ対応)。この会社の調査したデータによると2014年の東京のAirbnb物件の平均稼働率は63%でした(下記図表参照)。
[図表1]ビヨンドプライシング社の公開する2014年の東京のAirbnb稼働率グラフ
私の会社が運営代行を行うAirbnbリスティングは東京都内に約55件ありますが、2015年の平均稼働率は70〜80%です。ビヨンドプライシングのデータは、あまり本気でAirbnb運営を行っていない方のリスティングも含めているので、本気でやっている方のリスティングなら、平均稼働率は70%くらいだと思います。
さて、以下のグラフは、東京で登録されているAirbnb物件について、2014年の1月1日から12月31日までの稼働率を記録したものです。まず、グラフの中央を横に真っすぐ走る線がありますが、これが年間稼働率(63%)です。上下にジグザグと動く線が、その時々での稼働率です。
[図表2]5月の稼働率
[図表3]日ごとの稼働率の表示(4〜5月)
平均値63%を超える月、つまり稼働率の高い時期を見てみると、3月中旬頃から急にグラフが上がり始めています。そこから5月下旬までは非常に高い稼働率を示します。特に上がっている3月20日~5月5日での稼働率は75%を超えています。
日本ではこの時期、1年で最も過ごしやすい春になります。日本と言えば「桜」ですが、花見にも最適のシーズンです。それに、諸外国では4月にイースターの長期休みがあるため、旅行するのにちょうどいい季節になるのです。
3月中旬から8月のお盆までは稼働率が高くなる
Airbnbには海外からやって来る観光客だけでなく、国内にいる日本人の動きも直接的・間接的に影響します。
日本ではゴールデンウィークが4月末〜5月初頭にあるため、日本人で国内のホテル・旅館が埋まってしまいます。そのため、予約が取れなくなった外国人がホテル代わりにAirbnbを利用するのです。日本人がその安さや使いやすさからAirbnbを使うこともあります。
こうした理由から、春~ゴールデンウィークにかけて稼働率は高くなります。ゴールデンウィークが終わるとグラフは一旦下がりますが、その後、再び上がって5月17日にもピークが来ます。そして、しばらく平均より高い状態が続きます。
次に70%を越える時期が7月10日から8月7日です。これも時期的に考えて、他国の休暇期間と重なるところです。ざっくりと言えば、3月中旬から8月のお盆までの5ヶ月間は平均値を超える人気のシーズンと言えるでしょう。
[図表4]7月の稼働率
[図表5]日ごとの稼働率の表示(7〜8月)