グローバル化が急速に進む中、海外で子どもの幼少期や初等、中等教育等の早い段階から英語環境におくことで、英語のみならず、国際感覚を身につけさせたいと考える富裕層が増えている。本記事では、数多くの留学サポートを手がける株式会社アエルワールドで海外生活カウンセラーとして親子留学を担当する北原万紀氏が、「家族長期留学」についての最新事情を紹介する。今回は、実際に「オーストラリア」へと留学した親子に、実際の現地の生活などについてお話を伺った。

「もっとのびのびとした環境を」と思い立ち…

2017年1月よりオーストラリアに渡航し、すでに約2年半をお過ごしになっているお客様が、学生ビザの更新手続きのために弊社にお越しくださいました。お母さまとYear 6(日本の小学6年生)になるお子さま2人でのご来店。現在のご様子を伺うことができました。

 

通学する学校は男子校で、クラスは3クラスと特進科1クラス。1クラス21人の中に中国やヨーロッパからの留学生が混じっており、英語ができる優秀な人が多いこの学校の中には、日本人は2名程度。学校内には日本語の空間がまったく存在しない環境にも関わらず、お子さまは、私の日本語にもしっかりとした受け答えをしてくれました。

 

ーもともとどのようなきっかけで留学しよう思われたのですか?

 

「幼稚園の頃は日本のアメリカ系のインターナショナルスクールに通わせていて、本人は『先生が厳しい』と言いながらも楽しんで通っていました。小学生になってからはインターナショナルスクールではなく、共学の私立校に通うようになったのですが、夜遅くまで塾や習い事で忙しくする周りの生徒さんたちを見ていて、『小学生の間だけでも、もっとのびのびとした環境で育てたい』と思うようになり、留学を決意しました。とはいえ、最初は息子も『え?』という反応で、最初は行くのを嫌がりました」(お母さま)

 

―最初は嫌だったそうだけど、今はどうですか?

 

「最初は行くのが嫌だったけど、1週間くらいしたら楽しくなった。日本の学校は先生が『これはだめ』、『あれはだめ』がとても多いけど、今の学校ではそんなことはあまりいわれない。もっと自由。クラスの授業では算数が好き。先生がクイズを出して、1位から3位までをランキングで決めるとお菓子がもらえる。これが楽しい(満面の笑み)」(11歳のお子さま)

 

禁止されていることが少なく、そんな「自由」という言葉とともに出てきたご子息の1週間のスケジュールをみて思わず驚きました。学校の授業は8:45から15:30ですが、毎日5:30とか7:30からの「朝練」なるものがびっしりと詰まっているのです。5:30からの朝練の時は、お母様は4:30起床。思わず「大変ですね」と口走ってしまった私に、お母さまは「そうなんですよ〜」と笑いながら、まったく大変そうな様子はありません。

 

日本と違い、ひとつのスポーツや芸術活動を通年で行う「部活」のような発想はなく、シーズン毎にさまざなものに触れる機会があるとのことで、ご子息はラグビー、サッカー、クロスカントリー、水泳などをやっているそうです。お母さまによると、こうしたクロストレーニングによって身体的にも非常に良い影響があるとのことです。

 

 

才能の発掘と自信の醸成のために、多様の選択肢がある

スポーツや芸術活動では、「才能」がキラリと光ると選抜される仕組みがあります。例えば、陸上。ただ何となくやるのではなく、しっかりと個人タイムを取られ、脚の速い子には声がかかり、選抜メンバーになるとまた特別な練習をこなし、地区大会や州大会を経て、国の大会と、その才能を生かす場面が与えられます。音楽では、好きな楽器をまずは手に取り練習をしていくのですが、ここでもまた優秀な生徒は引き抜きがあり、その才能を伸ばす仕組みがあるとのこと。

 

ーそんな競争環境で嫌になる生徒はいないんでしょうか?

 

「シーズンで種目が変わるから、すぐに忘れるようです。先生たちの生徒へのコミュニケーションが適切で、とにかく自信がつくみたいです。日本では聞いたこともないような言葉をかけてもらって、勇気づけられ、とにかく自己肯定感が高いですね。何か不得意があっても、違う得意なことを見つけることができるので、これじゃなくても別のことがあるなと思えるみたいで。高学年になるにつれて得意なことがわかったり、自分に合っているものがふるいにかけられていきます」(お母さま)

 

ー学校の先生たちは褒めてくれることが多いようだけど、怒ったりしない?

 

「あんまり怒らない。でも、悪いことをすると、廊下に立ったりすることもあるよ。悪いことを何度もすると、ハウスマスターに自分でアポイントをとって、反省をいいに行ったりするし、もっと悪いと校長先生のところに行く。僕はやったことないけれど、友達はハウスマスターのところに何度か行ってたね」(11歳のお子さま)

※ハウスとは学校の組み分けのようなもので、入学時に所属するハウスが決まり、仮に子どもが同じ学校に通う場合も、一族ずっと同じハウスになる。先生もハウスが決まっており、ハウスの長にあたる先生がハウスマスターと呼ばれる。

 

お母さまによると、日本のニュースで見るような、「学校が生徒間に起きた問題に気づかなかった、問題が放置された」というようなことはなく、今いる学校では考えられないとのこと。学校と先生の権限がとても強く、何かあればまずは学校内で解決をはかり、校長先生のレベルにまで行くとようやく親に連絡がくるのだとか。

 

進化する学校教育の現場とテクノロジー

英語環境の割に日本語が想像以上にしっかりしていらっしゃるお子さまに、日本文化に触れる機会を尋ねると、家庭の中以外に、最近はテレビでドラマやバラエティ、インターネットではアニメやYoutubeを見ているので、その影響が大きいとの答え。

 

最近のソーシャルメディアやオンラインゲームの影響は大きいようで、小学生もスマートフォンのアプリで友達と連絡をとるのが当たり前です。ご子息がよく使っているのは、Instagram 、LINE、Snapchat。英語の上達は、こうした現地のオーストラリア人の友達とのオンラインコミュニケーションも貢献しているようです。

 

オンラインゲームのフォートナイトで遊んでいるときに、オーストラリアの友達と日本の友達が一緒にいることもあって、そこでご子息が通訳のような役割を担うこともあるそう。

 

「Year 5(日本の小学5年生)になったらラップトップを持ちます。教科書は学校に置いたままで家に持って帰ってきたことはありません。学校の課題はプレゼンテーションの資料を作るようなものが出ているようで、それをオンラインで提出して学校ではそれを使って発表しています。課題の管理も成績の管理も、私たち保護者への連絡もすべてオンラインです。そうそう、保護者会のように親が学校に行く機会もあるのですが、ドレスコードなんかも指定されています」(お母さま)

 

親子揃って「高校卒業までは今の学校にいたい。今度のビザ申請は卒業まで下りるかな〜」といいながら、ビザ申請の書類を記入される様子は和やかでした。

 

時よりお客さまから男子校や女子校のメリットを聞かれることがあります。お母さまによると、男子校だからか、年頃ならではの女子からの目線を気にする必要がないため、そういう意味でものびのびしているとのこと。

 

お話を伺う中でのお子さまの受け答えや表情は終始、「子ども」というよりは、知性と生命力を感じさせる1人の男性リーダーと話している感覚でした。

 

【学校情報】

The Southport School 〜ザ・サウスポート・スクール〜

オーストラリアのゴールドコースト中心地、サウスポート地区にある1901年創立の100年以上続く伝統ある男子校。親子留学で通学するか、Year 7(日本の中学1年生に該当)以上は、単身で寮生活が可能。学業だけでなく、創造性や高度に秩序立った思考を育成できるよう授業が組み立てられています。またリーダーシップ開発の分野では、ポジティブ心理学に基づいたアプローチがなされ、さまざまなスポーツや芸術への参加を通じ、生徒の自信、心身の健康、責任感を育む校風です。

 

https://www.tss.qld.edu.au

 

入学受入:プリスクール〜Year 12

入学金:AUD 2,800

学費(年間・2019年):AUD 25,411〜31,726

寮費(年間・2019年):AUD 22,416〜(Year 7〜12)

ホームステイ:要相談

 

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