グローバル化が急速に進むなか、子どもに英語のみならず、国際感覚を直接現地で身につけさせたいと考える富裕層が増えている。本記事では、数多くの留学サポートを手がける株式会社アエルワールドで海外生活カウンセラーとして親子留学を担当する北原万紀氏が、「海外留学」、「家族長期留学」等についての最新事情を解説する。今回は、2020年に開催される万博でも注目されるドバイのインターナショナルスクール事情について、現地視察の様子も併せてレポートする。

「英語が流暢でない」子どもの入学も受け入れている

前回は「親子留学するなら?」という視点でドバイの主要開発エリアを紹介いたしました。(関連記事『開発エリアは留学におススメ?大変貌する「ドバイ」の魅力とは』参照)。

 

大ショッピングモールを中心に、国際的なファッションブランドや家具ブランド、世界各国料理のフードコート、映画複合施設があるフェスティバルシティという地区に、Universal AmericanSchool(ユニバーサル・アメリカン・スクール)とDeira International School(デイラ・インターナショナル・スクール)いう学校があります。

 

この2校は国際的な競争力のある教育システム構築を掲げけているUAEのビジョンをサポートする形でAl Futtaim(アル・ファテーム)の非営利事業として2005年に設立された学校です。Al Futtaim(アル・ファテーム)は、創立85年、中東、アジア、アフリカを中心に25か国で自動車、金融、不動産、小売などのビジネスを展開しており、その従業員は4万人をこえます。

 

フェスティバルシティの開発もAl Futtaim(アル・ファテーム)が手掛けており、その中や周辺には多くの関連企業が立ち並びます。Universal AmericanSchool(ユニバーサル・アメリカン・スクール)はアメリカ系カリキュラム、Deira International School(デイラ・インターナショナル・スクール)はイギリス系カリキュラムです。

 

今回訪問したUniversal American School(ユニバーサル・アメリカン・スクール)は、幼稚園(4歳)からGrade12(18歳)までの共学で、生徒数は1300名、アメリカ式カリキュラムのためアメリカ系の学生が一番多くなっています。

 

現在、日本人は19名で、英語サポートがあるため、英語が流暢でないお子さまの入学も受け入れています。この学校の特徴は、教鞭をとる以外に生徒をサポートする職員が多く、健康や安全面での管理と、生徒自身の自己開発へのサポートは非常に高い評価を得ています。

 

Grade5になると生徒自身が社会的なテーマを選び、リサーチと問題解決の手法をプレゼンするという機会が設けられています。入学にはWIDA(またはMAP)の受験が必要です。WIDAとは、英語を母国語としないKinderから12年生までの英語力を測るテストです。願書を提出すると学校が受験をアレンジしてくれます。WIDAは入学テストではなく、英語サポートがどの程度必要かを判断するものです。

 

この学校は日系企業の駐在者の子どもや、その他のアジア系で英語教育を受けていない生徒も受け入れを行っています。中学生くらいまでであれば比較的柔軟な対応をしてくれますが、高校生の年齢だと進学への影響があるため、一度相談されたほうがいいでしょう。

 

授業料は、183万~230万円と東京都内のインターナショナルスクールより安くなります。例えば小学1年~4年生だとUniversal American Schoolでは約183万円、都内の某アメリカンスクールの学費が250万です。年間で67万円ですから、お子様が2名、6年通学と考えると800万円ほど違いが出てきます。

 

【授業料】1AED=約30円

PreK~KG2 AED37,330~AED45,850

Grades1-4 AED61,120

Grades5-8 AED67,880

Grades9-12 AED76,670

 

9月入学までの推奨されるプロセスは、3月末までに入学願書を提出し、5月ごろまでに学校の視察時にWIDAのテストを同時に受験して、入学に間に合うよう8月中旬までに引っ越しするというスケジュールです。ドバイの学校に入学手続きを行う際、多くの場合、TransferCertificateという書類を入学する先の学校から求められます。この書類は、在籍していた学校が作成してもらい、英訳したものを外務省と在UAE日本領事館の両方で認証する必要があります。少し面倒な手続きなので、相談いただくほうがよいかもしれません。また、ドバイへの親子留学は学生ビザと保護者ビザという組み合わせで渡航できる方法がないため、不動産ビザや法人設立でビザを取得することになります。ただ、通常の学生ビザと同程度のスケジュールで動くことができます。また、取得に1年程度かかるMM2Hビザで渡航するマレーシアの親子留学よりも、以外と手軽でシンプルかもしれません。

 

Universal American School(ユニバーサル・アメリカンスクール)

https://www.uasdubai.ae/home

P.O.Box79133,AlBadia,Dubai Festival City,Dubai,United Arab Emirates

Tel:+97142325222

最高ランク常連の英国系インターナショナルスクール

ドバイではKHDA(Knowledgeand Human Development Authority)の評価が各学校のウェブサイトに公開されています。そのKHDAレポートで、最上位のOutstandingの評価を5年連続で獲得しているRepton School Dubai(レプトン・スクール・ドバイ)。上記で紹介したUniversal American School(ユニバーサル・アメリカン・スクール)と比較すると、便利な立地というよりは外れにあるという印象です。

 

ドバイ中心地から車で30分ほどのところに位置していますが、この学校からわざわざ通っていいと思えるほど学校内は充実しています。スクールバスも充実しているため、立地はあまり心配なさそうです。Reptonは2007年に設立、3歳から18歳までを受け入れる共学校でイギリス系のインターナショナルスクールです。1,767名の生徒数のうち20%がUAE人で、それ以外を約70カ国からの生徒が占めています。

 

まずゲートでパスポートを預けて学内の敷地に一度入ると、先ほどまで広がっていた景色と一変し、噴水や緑の芝生が広がります。敷地は大学のキャンパスかと思わせるほどの広大で屋内プールや冷房付きの体育館が2つ、大きなグランドやボーディングの校舎などが立ち並び、存在感たっぷりです。

 

また校舎の中では、アート、スポーツ、音楽、サイエンス、テクノロジー、イノベーションの領域で創造性を育む取り組みが各所に見られます。IB(国際バカロレア)のディプロマにも対応しており、2017年には生徒当たりの平均スコアが35を超え、グローバル平均の30を大幅に上回りました。卒業生はオックスフォード大学、ロンドン大学、カリフォルニア大学などへ進学しています。イギリスの大学進学やIB(国際バカロレア)採用の大学を目標にされる場合は、生活一度検討する価値があります。日本人は現在通学していませんが、アジアの学生も在籍しています。英語力が求められるため、英語力に自信のないお子様は少し準備されることをお薦めします。インターナショナルスクールに在学中、または家庭内がバイリンガルというお子様でしたら、日本や日本人の環境と距離を置くという意味では貴重な環境になり得るかもしれませんし、寮(ボーディング)を使用する場合には、学校が学生ビザ取得をサポートしますので単身での留学も可能です。学費は180万円~285万円、Year7から入寮可能な寮(ボーディング)は年間200万円程度。(週に3日~4日、または平日だけの寮の使用プランもあります。)学校が実施した調査では、保護者の99%が学校の教育の質に満足していると回答しています。

 

Repton School Dubai(レプトン・スクール・ドバイ)

PO Box300331,Nad Al Sheba3,Dubai,UAE

https://www.reptondubai.org

 

今回はドバイのインターナショナルスクールをご紹介しました。新しい留学先の候補として可能性十分なドバイ。今年のDubai Expo2020(ドバイ万博)でもメディアに取り上げられる機会が増えると思います。ぜひ、留学先としても着目してみてくださいね。

 

 

北原 万紀

株式会社アエルワールド 

海外生活カウンセラー

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