不動産業大手の「ブランドイメージ」を信頼してはいけない理由

大手のブランドイメージはあなたのお金で出来ている!?

モノを選ぶ時は、その会社や商品の認知度の高さで選択されることが多い。したがって、無意識にその商品の持つブランドイメージで選んでしまう人は多いでしょう。

確かにテレビや雑誌、新聞その他で名前を見る会社は、それだけで好感が持てる気がします。人間の心理とはおもしろいもので、知っている情報が悪いものでない限り、知っている＝「よいこと」であり、有名な会社＝「信頼できる会社」と考えてしまいがちです。また、広告も無言で「大手＝信頼」を表現していることも少なくありません。

ところで、テレビのCM枠を獲得するには、多額の費用が必要となります。そして、人目につくよう、広告代理店はイメージキャラクターとして有名アイドルグループや、その映像に合わせた一流の音楽を使い、ブランドイメージを高めるためのCM制作を行います。これら一連の制作コストは相当な額に上るはずですが、それを支払うのは、実はマンションの購入者です。

たとえば300戸のマンションのCMに、有名アイドルグループの起用コストが3億円なら、1戸あたりの負担金額は100万円となります。

どんな商品でも売るためのイメージアップ戦略は少なからず必要です。しかし、100円のチョコレートに十数円の宣伝広告費が上乗せされている程度の話ならいざ知らず、あなたの選んだマンションが、そのブランドイメージを高めるCMのために、タレントコストや広告代理店の利益などが上乗せされた価格に設定されていると知ったら、どうでしょうか？

昨今ではインターネットの有名ポータルサイトのトップページに企業のバナー広告を1週間出すだけで、数百万円というお金が必要になるようです。1年間の連続広告とするならば、それだけで数億円という広告費が使われることになりますが、もちろんこれも購入者の負担です。つまり、ブランドイメージという信頼は、あなたの支払うお金で作られるのです。

物件選びに役立つ広告でなければ誠実とは言えない

ちなみにこれらの広告の多くは物件名、企業名をアピールするものが多く、マンションの具体的な情報はほとんど含まれていません。

確かに事業戦略上、分譲戸数の多い大規模マンションでは「大量集客のための話題性」が必要になりますが、その話題性を綺麗な女優さんやアイドルグループに頼るのでは納得できない人も多いと思います。

少なくともこのマンションはどんな暮らしを実現するために設計されたのか、具体的な住み心地はこうですといった、住む人の選択に役立つための広告でなければ誠実とは言えないと思います。