前回は、資産防衛に必要な「ポートフォリオ」について説明しました。今回は、ポートフォリオを作成する過程で重要となる「リスク許容度」の判断基準について見ていきます。

総資産額を基準にしたステレオタイプな判断は危険

画一的なパーセンテージで判断してはいけないポートフォリオを作成する過程で必要になるのが、自分自身の正確な「リスク許容度」の把握です。今回はもっと具体的な内容について紹介しましょう。

 

まず重要なことは、資産運用の教科書に出ているような総資産額を基準にした「パーセンテージ(%)」での判断に頼らないことです。保有資産1億円を超えるような富裕層の場合、よく「50%はリスク商品に回しなさい」などといわれます。しかし保有資産1億円でも、仕事がなくて1億円が唯一の資産だという人と、仕事をしていて定期収入があるうえで1億円を保有している人とでは、状況が大きく異なります。

 

ポートフォリオを作る際には、その人の「総資産額」「収入額」そして「年齢」から判断することが重要になってきます。総資産だけでは判断できませんし、その人に収入があるかどうかも重要なファクター(要素)になってきます。つまり、仕事がない人=収入がゼロの人のリスク許容度は、かなり低くなってしまうと考えるのが自然です。

リスク許容度は「属性」や「境遇」によって個別に判断

年齢にもよりますが、資産1億で仕事がない人の場合、仮に50%のリスクをとってしまうとリーマン・ショック級の経済危機が襲ったときには、結果的にリスク商品の全額5000万円を失ってしまう可能性も出てきます。保有資産1億円といえども、将来も含めて安定した資産額ではなくなってしまう可能性が出てくるわけです。

 

これが10億円の保有資産がある人なら、50%のリスクをとっても最悪5億円は残ります。5億円あれば、生活水準は若干落とさなければならないかもしれませんが、他に収入がなくてもなんとかやっていけるはずです。そういう意味でいえば、保有資産100億円の人のリスク許容度は90%でも大丈夫といっていいかもしれません。90億円がなくなっても、10億円で当面の生活は維持できるからです。

 

要するに、リスク許容度は「パーセンテージ」で判断するのではなく、自分の収入額や年齢といった「属性」や「境遇」によって判断することが重要だということです。自分が置かれている立場をよく考えて判断しましょう。

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    植頭 隆道

    幻冬舎メディアコンサルティング

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