リスクヘッジには必ず「処方箋」が必要
前回の続きです。もちろん、ここで推奨する海外投資というのは為替差益を狙ったものや、円高だから投資する、円安だから、ちょっと待とうといった類いのものではありません。日本に何かあったときのための、まさに「リスク回避」のための海外投資だと考えるべきでしょう。
さて、問題はどんな形の海外投資がいいのかですが、これには様々な選択肢があります。たとえば、海外のヘッジファンドも投資環境が整うのであれば、それもひとつの方法です。あるいは現在のような状況であれば、米国など海外の債券も将来的に金利が上昇する可能性があり、投資のチャンスが訪れるかもしれません。新興国の株式市場などに投資する方法もありますが、流動性などの問題もあり、当面は難しいかもしれません。
さらに、これまで何度も指摘してきたように、投資には必ずリスク回避のための何らかの「処方箋」が必要です。ただ単に投資して値上がりを待つ、といった手法は、海外投資でも避けるべきであり、こうしたリスクヘッジの方法の有無、といった要素も海外投資には極めて重要だと考えています。
安定した賃料収入を得る「米国の賃貸物件」への投資
海外投資環境のタイミング、そしてリスク回避の有無といった要素を考えると、現在ベストな海外投資の投資対象は、「海外不動産投資」ではないかと考えています。一口に海外不動産投資といっても様々ですが、特におすすめしたいのは米国の投資用不動産です。
投資用不動産というのは、賃貸用のアパートメントや小型マンションなどの1棟買いです。投資用不動産はいわゆるキャピタルゲインを狙うものではなく、賃貸料によるインカムゲインを収益のメインにしたもので、これも「安定運用」の投資方法といえます。
いまなぜ米国の投資用不動産なのかについては、現在の経済環境などの推移によって変化しますし、リスク回避の方法もすべての物件が使えるわけではない、といった様々な事情がありますが、いずれにしても海外の投資用不動産への投資が、日本経済に万一のことがあった場合のリスク回避の受け皿になってくれるのではないかと考えています。