ネットに載せない!不動産を「相場より高く売る」裏ワザとは?

※本連載では、一般社団法人全国空き家流通促進機構専務理事、株式会社リライト代表取締役の田中裕治氏の著書、『売りたいのに売れない!困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版)から一部を抜粋し、事例をもとに「困った不動産」の具体的な内容や解決方法について解説します。

直接声をかけ、入札方式で購入希望価格を出してもらう

建売住宅が何棟か建てられそうな広めの土地やアパート1棟、分譲マンションの1室、戸建てなどの売却依頼を受けた場合、不動産検索サイトやレインズに情報をアップしないで、「プライベート入札」という方法で売却することがあります。

 

プライベート入札とは、その物件を買ってくれそうな不動産会社や建売業者、マンションデベロッパーなど、5社くらいに直接声をかけて、入札方式で購入希望価格を出してもらい、一番高い値段を出してくれた会社に売却するというものです。

 

もちろん、売り主が直接行うのではなく、不動産会社が入札を仕切ることになります。実際、私はこの方法で何度も売却依頼を受けた物件を販売していますが、予想よりも高い金額で売れるケースがほとんどです。

 

先日も都内の中古マンションの1室がプライベート入札で、1100万円で売れました。相場だと900万円くらいだったのですが、マンションを買ってリフォームして販売している会社が1100万円で落札してくれたのです。

 

プライベート入札を行うには、お願いした不動産会社が、その物件を買ってくれそうな業者を知っていて、声をかけられる関係になっていることが前提となります。実際、長年この業界で仕事をしていると、「この土地だったらあの会社が買ってくれそうだ」とか、「このエリアの物件なら、あの不動産会社が強そうだ」といったことがわかるようになってくるものです。

 

ですので、プライベート入札で高く売りたい場合は、売却をお願いしようとしている不動産会社が、こういう情報や人脈を持っているかどうかを、まずは確認したほうがいいでしょう。

 

その上で、プライベート入札を成功させるためのポイントは、声をかける会社が少なすぎても多すぎてもいけないということです。

 

声をかける先が2社くらいだと少なすぎて、どこも入札に応じてくれない可能性がありますし、10社くらいに声をかけると今度は多すぎて、落札できる可能性が低いと判断されて、高値がつかないケースもありますので、5社くらいがちょうどいい数なのです。

 

プライベート入札はあまり知られていませんが、このような販売方法もありますので、興味のある人は不動産会社に相談してみるといいでしょう。

交渉力があって信頼できる代理人を選ぶことが重要

不動産の仲介をしていてつくづく感じるのは、高く売れるかどうかは不動産会社の担当者次第だということです。

 

以前、都内のマンションの仲介をしていたときのことです。私は買い主側の仲介業者として、買い主の希望に合った4980万円のマンションを探してきて、買い主に提案しました。しかし、買い主は「4780万円なら買ってもいい」とのこと。そこで、私は売り主側の不動産会社の担当者と値段の交渉をするわけです。

 

当然、売り主は少しでも高く売りたいので、「4830万円でどうか?」と、こちらの購入希望価格に50万円上乗せした価格を提示してきたのです。その金額を買い主に提示したところ、買い主は「それでもいいかな」とうなずきかけていました。

 

しかし、私はそのマンションの同じくらいの広さの別の部屋が、以前4400万円で売れていたことを知っていたので、先方の担当者と再度交渉することにしたのです。

 

「以前、別の部屋が4400万円で売れていましたよね。それから考えると、この部屋の相場は4600万円くらいだから、4830万円は高いのでは? 4780万円でも相場より高いのだから、その金額で売り主と話をつけてもらえないか?」

 

その結果、4780万円で話がまとまり、買い主の希望通り、4780万円で購入することができたのです。このとき私は買い主側だったので少しでも安く買えるよう交渉したわけですが、売り主側だったとしたら、高く売れないものも少しでも高く売れるように動いたと思います。

 

不動産の売買は交渉です。しかも、代理人による交渉ですので、代理人に交渉力がないと、高く売れるものも高く売れないことになるのです。先ほどの例でいうと、交渉力の違いによって50万円の差が出てしまったというわけです。

 

不動産売買においては、売り主も買い主も、「この値段で売る・買う」という決断がなかなかできずにいるのが実情です。その背中を押してあげるのが、不動産会社の担当者の仕事であり、腕の見せ所なのです。

 

最後にどんな一声をかけて、お客様に決断してもらうのか――。それによって値段が50万、100万変わるのが不動産の世界ですので、できれば交渉力があって信頼できる担当者にお願いすることを強くおすすめします。

 

 

田中裕治

株式会社リライト 代表取締役

 

一般社団法人全国空き家流通促進機構専務理事
株式会社リライト代表取締役 

1978年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大手不動産会社に勤務した後、勉強のために買取再販をメインとする不動産会社に転職。34歳で不動産会社を設立し独立。創業以来、赤字の依頼でも地方まで出かけていき、役所の担当者や近隣住民と辛抱強く交渉し、数多くの「負動産」を「富動産」に変えるなど、「困った不動産」を抱えた人たちの悩みを解決してきた。現在も、日本全国の「売れない」と言われて困っているお客様に寄り添い、「売れないはずの物件」を多数売却する傍ら、市役所や区役所、NPO法人などで無料相談員も務めている。人生のミッションは、相続でワケアリ物件を抱えて困っている人を1人でも多く救うこと。著書に『不動産相続対策~貰って嬉しい富動産、貰って損する負動産』(ギャラクシーブックス)がある。

著者紹介

連載売れない、貸せない…「困った不動産」を相続したら?事例で学ぶ“負動産”対策

売りたいのに売れない! 困った不動産を高く売る裏ワザ

売りたいのに売れない! 困った不動産を高く売る裏ワザ

田中 裕治

ぱる出版

現在、日本には約820万戸の空き家がある。少子高齢化によって田舎の親の家が空き家になる率が高まり、住むに住めず、売るに売れず、管理もできない家を相続した子供にとっては深刻な問題だ。本書では、親から相続した「お荷物…

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