日本型オペレーティングリースの仕組みやメリットについて詳しく検証している本連載。今回は中東ホルムズ海峡付近で日本のタンカーを含む2隻が攻撃された事件を受け、船舶に掛けられる保険とその補償範囲、現在地の確認方法などを緊急解説する。

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Q27. 対象となる船舶には、どのような保険が掛けられるのか?

A27.船舶の保険には、船舶保険、船舶戦争保険、船主責任保険(P&I保険)、船舶不稼働損失保険などがある。このうち、日本型オペレーティングリースの対象となる船舶は、少なくとも船舶保険、船舶戦争保険、P&I保険の3つに加入していることが一般的だ(案件によって異なるので、組成・販売会社に確認したい)。

 

船舶保険は、沈没や座礁、火災、ほかの船舶との衝突など、海上固有の危険に遭遇したことによって被る船舶自体の損害、費用、および衝突による相手船と相手船上の積荷または財物に与えた損害に対する賠償責任などによって被る損害を補償するもの。

 

船舶戦争保険は、船舶保険では補償されない戦争危険によって被る船舶自体の損害、費用、賠償責任を補償する保険である。

 

また、P&I保険は、船舶の運航・使用・管理に伴い、船主に生じる法律上の賠償責任や費用を補償する。

Q28.船が事故で沈んだらどうなる?

A28.リース契約に基づく処理が行われる。全損という扱いになるとリース契約が期限前解約され、事前に取り決められている清算金がレッシーからレッサーに支払われ、匿名組合員には出資額に応じた金額が払い戻されることとなる。実質的には、保険金が支払われ、その保険金から払い戻されることとなり、通常は出資金額がカバーされる契約となっている(案件ごとに、組成・販売会社に確認したい)。

Q29.船が海賊に襲われたらどうなる?

A29.海賊に襲われて船が損壊した場合は、船舶保険や船舶戦争保険で補償される。契約内容によるが、海賊に拿捕され、長期にわたって船舶が動かなくなった場合、リース契約上は解約となることもありえる。その場合、レッシーは事前に取り決められている清算金をレッサーに支払い、匿名組合員には出資額に応じた金額が払い戻される。通常は出資金額がカバーされる契約となっている(案件ごとに、組成・販売会社に確認したい)。不稼働であっても、保険でカバーされるケースや、今後の見通しなどにより、通常通りのリース料を支払い続けることによって契約を継続することもありえる。

Q30.投資している船舶がどこにいるのかは確認できる?

A30.世界中の船舶の運航状況については、ウェブサイト(Marine Trafficなど)やブルームバーグ端末などで、船名を入力すれば確認できる。

 

 

【参考】

オペレーティングリースとは?「日本型オペレーティングリース」の仕組み・使い方・メリット

 

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