相続税調査についてよく知るためには、「最近の動向」をチェックしておくことが大切です。相続税やその税務調査の実態に詳しい、税理士の服部誠が解説します。

「相続税の税務調査」に 選ばれる人 選ばれない人
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1:KSKシステムの活用

(1)KSKシステムとは

KSK(国税総合管理)システムとは、全国の国税局と税務署をコンピュータネットワークで結び、納税者の申告データや申告状況を一元的に管理するものです。

 

KSKに蓄積されたデータを多角的に分析することで、より効果的な税務調査が可能となったことに加え、納税者は納税証明書の発行や質問・照会がより迅速に行えるようになりました。

 

例えば、調査で発見したメモに申告書には記載されていない人物の名前や会社名があった場合、システムの検索機能によって、即座にそれらの情報を得ることができます。

 

平成7年に東京の2税務署からスタートしたKSKシステムは、現在、全国すべての税務署に導入され、稼働しています。

 

(2)KSKシステムの将来

 

現状、導入が検討されている「納税者番号制度」は、議論が停滞したままです。ただ、将来的に導入された場合、このKSKシステムが大きな役割を果たすものと見られています。

 

具体的には、“課税の不公平感の解消”という観点から、KSKシステムの活用が大いに期待されているためです。その点、相続税の調査にも影響を及ぼすと予想されます。

 

(3)相続税の税務調査での活用

 

KSKシステムでは、相続税だけでなく、法人税や所得税の申告データも網羅しています。そのため、法人税の申告状況や個人の確定申告の状況などが瞬時に分かります。

 

さらに、相続税の申告書には記載されていない株式の売買や不動産取引、金地金売買、生命保険や年金の受給状況など、相続に係るあらゆるお金の流れも把握されているのです。

 

そのため、あらゆるお金の流れが把握されているということを前提に、相続税調査への適切な対応が求められます。

 

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本記事は、『税理士法人レガート』ホームページのコラムを抜粋、一部改変したものです。

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