本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。今回は、相続が発生したときに、どのような専門家に相談するべきか、ケース別に見ていきましょう。

法律の専門家…それぞれの専門領域

近い親族に初めて不幸があった場合、多くの人がその後何をしたらいいのか、わからなくなります。まず先に相談するべき専門家は一体誰にするべきでしょうか?

 

 
 

世の中には様々な専門家がいます。弁護士、司法書士、行政書士、税理士…。また銀行や生命保険の担当者にも相談することができるかもしれません。常日頃からお付き合いのある信頼できる専門家に相談していただくのがベストですが、必ずしもその専門家が相続に詳しいとは限りません。

 

■弁護士・司法書士・行政書士の違い

現在日本には、法律の専門家と呼ばれる国家資格として、弁護士司法書士行政書士の3つの資格が存在します。この3つの資格の違いがわからない人がとても多いので、大雑把に説明します。

 

まず、弁護士は法律に関する仕事は何でもできます。一方で、司法書士と行政書士には、法律に関する仕事のうち、できないことがあります。弁護士はやろうと思えば何でもできるのですが、一般的に、弁護士があまりやらない仕事があります。そういった仕事は、司法書士や行政書士の方が得意なので、司法書士や行政書士に依頼した方がよいわけです。

 

■弁護士の専門領域

弁護士は、法律に関する仕事は何でもできる資格です。弁護士には、司法書士や行政書士が行えない、弁護士だけの専門領域があります。この専門領域を弁護士でない人が行うことは非弁行為(ひべんこうい)といって、2年以下の懲役か300万円以下の罰金が科せられます。

 

相続に関わる弁護士の専門領域としては、遺産分割の争いに関する法律相談や、遺産分割の代理人、家庭裁判所での代理人などがあります。簡単にいうと、揉めてる相続の間に入れるのは弁護士だけということです。どこからが揉めてる相続かというのは判断が難しい所ですが、筆者も税理士の立場で相談に乗っていて、「これ以上、争いが悪化したら弁護士いれないとまずいよなぁ」という判断を迫られる時があります。非弁行為になってしまうので。

 

よく弁護士の資格がないのに、相続争いに出しゃばる(言葉悪いですが)税理士や自称専門家が現れることがあります。公平に仲裁しようとするならまだしも、どちらかの相続人(大抵が自分のクラインアント)の肩を持つ形で話を進めようとします。そのような人が現れた場合には、「おいおい、これって非弁行為でしょ?」といってやりましょう。

 

余談ですが、弁護士の登録人数は、1995年頃には15,000人くらいだったのが、2015年時点で36,451人と、この20年で倍以上に人数が増えています。この背景には試験制度が大きく変わり、合格者が大幅に増えたことがあるそうです。昔は資格が取れれば安泰といわれていた資格ですが、今はなかなか大変です(税理士も同じですが…)

 

[図表1]弁護士数の推移(出所:弁護士会)
[図表1]弁護士数の推移(出所:弁護士会)

 

■司法書士の得意領域

司法書士といえば、何といっても登記(とうき)です。不動産名義変更や会社設立などの登記手続きは司法書士が最も得意としている領域です。相続に関する仕事では、不動産の相続登記、各種名義変更手続きの代行、成年後見人、家族信託の設計などを得意としています。

 

しかし、遺産分割の争いに関する相談は、司法書士は受けることができません。争いに関しては弁護士の専門領域です。争いには至ってないけど、後々で揉めないように、法律家の監修のもと、遺産分割をしたい方にはおすすめです。

 

ちなみに、最近、利用者が急増している家族信託を最も得意としているのは司法書士です。家族信託をする際には登記が必要になるので、登記にも対応し家族信託を設計してくれる司法書士は心強いですよね。

 

司法書士になるためには、司法試験に次ぐ難関試験を突破しなければいけません。その合格率なんと3.9%!現在、日本全国には22,488人の司法書士がいます。数だけでいうと弁護士より数は少ないのですが、司法書士の登録者数も年々増加しています。

 

司法書士数の推移(出所:日本司法書士連合会)
司法書士数の推移(出所:日本司法書士連合会)

 

■行政書士の得意領域

行政書士は現在全国に約47,000人ほどいる、街の身近な法律家です。最も得意としている仕事は、在留資格の取得代行や、飲食店や運送業などの営業許可の取得代行です。

 

相続税に関する仕事では、遺言書の作成や、各種名義変更手続きの代行をすることを得意としてます。ただし、司法書士との大きな違いとして、不動産の名義変更(登記)は行政書士が代行することはできません。一方で、自動車の名義変更は、司法書士は行うことができませんが、行政書士なら行うことができます。

 

亡くなった方が不動産を持っていなければ、行政書士に名義変更手続きを代行してもらうのもいいかもしれません。最近では成年後見制度や、家族信託契約書の作成を得意とする行政書士も増えてきましたので、認知症対策としても心強い存在です。

 

法律系の資格をまとめると、次のようになります。

 

弁護士:すべての業務ができるオールマイティな資格です。相続争いが発生している場合には、弁護士の専門領域になります。

 

司法書士:登記を得意にしている資格です。各種名義変更手続きの代行をお願いするには、おすすめです。

 

行政書士:許認可手続きを得意にしている資格です。不動産がなく、車がある場合などには名義変更手続きをお願いするのもよいかと思います。

 

[図表3]弁護士、司法書士、行政書士、それぞれの仕事の領域
[図表3]弁護士、司法書士、行政書士、それぞれの仕事の領域

相続争い…弁護士への依頼は慎重になるべき理由とは?

■弁護士に依頼するデメリット

弁護士は法律系の資格ではオールマイティに何でもできる資格ですが、デメリットがあります。これは、なかなか難しい話なのですが、弁護士は、利益相反(りえきそうはん)の要素がある案件は、両者から仕事の依頼を受けることができません。たとえば、相続人が長男と長女の子ども2人であった場合に、「公平な立場で、遺産分割をまとめてほしい」という依頼は、原則、受けることができないのです。

 

弁護士は依頼者の利益を最大化することが仕事です。長男の利益を最大化しようとすれば、長女の利益を損なうことになり、長女の利益を最大化しようとすれば、長男の利益を損なうことになります。つまり、簡単にいうと、どちらかの肩しか持てないのです。そのことから、弁護士に「遺産分割をまとめてほしい」と依頼した場合には、当然、その弁護士は、依頼者の利益が最大化されるように動くことになります。

 

そうすると必然的に、相手方も別の弁護士に依頼をするわけです。そして、両者とも弁護士に依頼をして、お互いの利益が最大化するように争うことになります。もともとにっちもさっちもいかないくらい揉めてるなら仕方ありませんが、「そこまで仲が悪いわけじゃないけど、納得できない部分がある」くらいの段階では、弁護士を入れてまで争うことはありません。

 

弁護士が登場すると、相手はビックリしてしまいます。

 

一般的な相続に関する法律相談をするくらいであれば問題ありませんが、今後のことを色々と任せたいと考えているのなら、弁護士に依頼することは慎重に考えなければいけません。

ニセ相続専門税理士事務所が増えている!?

■税理士

税理士は、その名前のままですが、税金の専門家です。現在、日本全国に77,000人ほどいます。税理士になるための試験は合格率2.4%なので、なかなか狭き門です。

 

税理士の主な仕事は、法人の決算書の作成、法人税の申告、個人の確定申告です。一般的な税理士事務所では、業務の9割以上が、法人関係の仕事をしています。平成27年の相続税の改正前までは、1年間に日本全国で相続税申告は約5万件しかありませんでした(現在は約10万件)。税理士は約8万人いるのに、相続税申告は5万件ですから、1年に1回も相続税申告をやらない税理士が3万人近くいたわけです。

 

一昔前までは、月額顧問料5万円くらいで、法人の顧問をたくさん獲得できれば、税理士事務所も安泰だったのですが、近年、会計ソフトが急速に発達したことや、AI技術の進歩によって、税理士に対する顧問料の相場が、どんどん下がっています。そのような背景があり、最近、相続に力を入れ始めている税理士事務所が急増中です。それは悪いことではないのですが、ニセ相続専門税理士事務所が急増しているのは、いかがなものかと思います。ここ数年、ホームページ業者が、税理士事務所に対して、「今のホームページの他に、相続専門の税理士事務所とうたって、もう一つホームページを作りませんか?」と営業しています。

 

そういったホームページでは、同じ税理士事務所の名前で作ってしまうと、相続専門でないことがすぐにバレてしまうので、「○○相談センター」のような、「センター」という名前を使ってることが多いです。相続専門の部署、ということらしいですが、部署なんてなんとでも作れます。そういったホームページを見かけたら、そのホームページの運営会社をチェックしてみましょう。相続専門でないことがすぐにわかります。

 

ちなみに税理士の平均年齢は65歳です(その内なんと10%は80代の税理士です)。税務署に23年間勤めると、税理士の資格が与えられるので、税務署OBが多いのも税理士という資格の特徴です。一方で、20代の税理士はたったの0.6%(全国で450人くらい)しかいません。これはささやかな自慢ですが、この記事を書いている筆者、橘は25歳から税理士登録してます(今は30代になりました)。

 

[図表4]年齢別税理士数の推移(出所:税理士会)
[図表4]年齢別税理士数の推移(出所:税理士会)

 

■税理士試験のなかで相続税は選択科目です

税理士試験のなかで、相続税は選択科目です。そのため、相続税のことを一切勉強したことがなくても、税理士の資格を獲得することは可能です。また一昔前まで、公認会計士は税理士の資格を無条件で獲得できましたが、会計士試験には、一切、相続税のことはでてきません。

 

つまり、税理士の資格を持っているからといって、相続税に詳しいとは限らないのです。

 

また、相続のことを相談するに際して、税理士の最も大きな弱点は、民法を知らないことです。法定相続人が誰になるかだとか、遺留分を計算する時の考え方とか、遺言書の書き方とか…。相続の相談に乗るためには、民法の知識が必須なのです。

 

しかし税理士試験に、民法はほとんど出てきません。そのため筆者も苦労しました。民法に詳しくなるために、税理士試験に合格してから、司法書士試験のテキストを買って、民法を勉強しました。相続専門の税理士を名乗るには、相続税の知識と民法の知識をバッチリ身につけないといけないのです。

 

ここで何が伝えたかったかというと、税理士といっても、相続税に強い税理士と、相続税に詳しくない税理士とでは、雲泥の差がある、ということです。医者に専門があるように、税理士にも専門があるのです。

 

 

専門家によって異なる「相続のアドバイス」

■専門家に相談すると最初に聞かれること

専門家の特徴は、なんとなくご理解いただけたと思います。それではいよいよ、専門家に相談に行ってみましょう。相続のことを専門家に相談しにいくと、たいてい最初に「遺産の分け方」について質問します。

 

 

相続人が1人であれば、遺産はすべてその相続人のものになるので、分け方を決める必要はありません。しかし、相続人が2人以上いるのであれば、誰が、どの遺産を、どれくらい相続するのかを決めなければいけません。

 

遺産の分け方には法律で決められたルールがあります。簡単なルールです。「遺言書がある場合には、遺言書の通りに分ける。遺言書がない場合には、相続人全員での話し合いで分け方を決める」というルールです。

 

相続人全員の話し合いのことを遺産分割協議といいますが、この話し合いは、全員が納得するまで終わりません。どうしても折り合いがつかない場合には、家庭裁判所で裁判をすることになります。

 

[図表5]遺言の有無で財産の分け方が変わる
[図表5]遺言の有無で財産の分け方が変わる

 

いずれにしても、遺産の分け方が決まらない以上は、名義変更もできませんし、相続税の金額も決まりません。そのため、専門家に相談した場合には、まず初めに遺産の分け方を決めていきましょう、とアドバイスされます。そして、この遺産分割に対するアドバイスが、相談する専門家によって、内容がまったく変わってくるのです。

 

■法律家のアドバイス

弁護士・司法書士・行政書士などの法律家に遺産分割のアドバイスを求めた場合、そのアドバイスは、民法に基づき、家族の気持ちを優先させた分け方を提案されます。揉めていない相続であれば「家族みんなが平等になるように、法定相続分で遺産を分けましょう」とアドバイスすることが多いです。また、残された妻が今後の生活を、より安心して暮らしていけるように、全財産を妻に相続させましょうとアドバイスしたり。

 

このように、家族の今後の生活をどうしていきたいかという気持ちをしっかりと汲み取って、民法上適正な遺産分割をアドバイスしていくのです。このアドバイスは、とても素晴らしいものです。やはり、最も大切なのは、亡くなった方や残された家族のお気持ちです。

 

しかし、法律家が提供するアドバイスの最大のデメリットは、相続税のことが、まったく考慮されていないアドバイスになってしまっていることが非常に多いことです。相続税は、遺産の分け方次第で、何倍にも何十倍にも変わってしまう恐ろしい税金です。気持ちだけで遺産を分けてしまうと、相続税が恐ろしく高くなってしまうことがあるのです。

 

筆者の事務所にも、「もう、遺産分割協議は終わりまして、不動産の名義変更(登記)も済んでいます。相続税の申告だけお願いします」という方が来ます。「法律家さんにアドバイスを貰いながら遺産の分け方を決めたので、問題ないと思いますよ」というのですが、筆者としては嫌な予感がするわけです。恐る恐る、その分け方を聞いてみると、案の定、相続税がとんでもなく高くなる分け方になっているのです!

 

■相続税に強い税理士のアドバイス

相続税に強い税理士に遺産分割のアドバイスを求めた場合には、どのようなアドバイスをしてくれるかというと、まずは、相続税のことだけを考えた場合に、最も税金の負担が少なくなる分け方を提案します。そして、その提案を基に、家族の気持ちを反映させて、最終的な分け方を決めていきましょうとアドバイスします。

 

遺産の分け方で、相続税が何倍も変わってしまうポイントは、実は2つしかありません。1つ目は、小規模宅地等の評価減という特例です。この特例をひと言でいうと、「亡くなった人が自宅として使っていた土地は、配偶者か、亡くなった人と同居していた親族が相続した場合、80%引きの評価額で相続していいですよ」という特例です。80%になるのではなく、80%引きになるのです。この特例が使えるかどうかで、支払う相続税が何百万円、何千万円と変わってしまうことがありますが、法律家のアドバイスには、小規模宅地の特例が考慮されていないケースが非常に多いのです。

 

2つ目は、配偶者の税額軽減という特例です。この特例をひと言でいうと、「夫婦間の相続であれば、最低でも1億6000万円までは相続税は課税しませんよ」という特例です。夫が先に亡くなってしまい、妻に遺産を相続させるのであれば、1億6000万までは相続税は無税です。逆の場合でも同じです。この特例のことを解説すると、多くの人から「財産が1億6000万円もないから、相続税は0円?」と質問を受けます。

 

 

 

その通りです。財産が1億6000万円以下の人が、全財産を配偶者に相続させた場合には、相続税は0円になります(しかし0円であっても相続税の申告は必要になります)。だったら、その分け方が一番有利じゃない!と思う人が多いのですが、実はその分け方が、最も不利になる可能性が高いのです。

 

 

 

確かに、全財産を配偶者に相続させれば、その時の相続税は無税になります。しかし、その後、その配偶者が亡くなってしまった時の相続税はどうなるかというと……とんでもなく高額になるのです。

 

夫婦のどちらかが先に亡くなってしまうことを一次相続といい、残された配偶者が亡くなってしまうことを二次相続といいます。ここが重要なポイントなのですが、相続税は、一次相続の時よりも、二次相続の時の方が、圧倒的な割高になる、という性質があります。この性質があるので、1億6000万まで無税になるからといって、夫婦間で必要以上に相続させてしまうと、次の相続の時に非常に多額の相続税を納めなければならなくなるのです。

 

このように、相続税は遺産の分け方次第で、何倍にも金額が変わってしまうのです。もちろん、筆者も一番大切なのは家族の気持ちだとは十分理解していますが、相続税の負担も大切です(今後の生活に大きく関わりますから!)。

 

法律家のアドバイスには、相続税のことがすっぽり抜け落ちているアドバイスが少なくありません。そもそも相続税のかからない人であれば問題ありませんが、相続税のかかる人であれば、そのことまで加味してアドバイスしないと、後々大変なことになってしまいます。

 

最近は、弁護士や司法書士、行政書士も相続税の勉強している人が非常に増えています。しかし、まだまだ相続税のこと知らない法律家もたくさんいますので、相続税のかかる人は、先に相続税に強い税理士に相談することをおすすめします。

「専門家紹介業者」のカラクリとは?

■無料で「専門家を紹介します!」という業者

インターネットで専門家を探そうとすると、いたるところにインターネット広告を出している「無料で専門家を紹介します!」という、いわゆる紹介業者をきっと1回は見たことがあるのではないでしょうか。

 

 

「親切なサービスだ」と思うかもしれませんが、そう思った方に質問です。この紹介業者は、一体どうやって売上をあげているでしょうか? こういった業者さんだって、ボランティア活動しているわけではありません。利益を出していかなければいけないわけです。

 

インターネットに広告を出すのは、もの凄く高い費用がかかります。「相続」というキーワードで1か月広告を出したら、それだけで何百万円とかかります。そういった費用をどのように回収しているでしょうか?

 

その答えは、紹介したお客様と専門家との間で何かしらのサービスが契約された場合、その報酬の30%~55%を、その専門家から紹介業者に、紹介料として支払っているのです。この30%~55%というのは、業者によって変わります。筆者の知っている限りでは、一番良心的な業者でも紹介料は30%でした(もしかしたらもっと紹介料少ない業者もいるかもしれませんが)

 

ですが、高い業者だと成約金額の55%払えっていってくるんです。このようなカラクリがあるので、もし、あなたがこういった業者から紹介された専門家に100万円の仕事を依頼したとしても、その専門家には45万円しか渡らないわけです。あなたは100万円を払ったので、100万円分の働きをしてくれることを期待します。しかし、専門家は45万円しか受け取っていないので、45万円分の仕事しかしたくないかもしれません(本音は)。

 

差額の55万円はどこに行ってしまったのか?

 

その差額は、最初に「無料で専門家を紹介しますよー」といっていた業者の懐に入っています。確かにあなたからお金はとっていませんが、専門家に払う報酬から紹介料もらってるなら、あなたから報酬貰ってるのと変わりないですよね。

 

[図表6]紹介業者のサービスの流れ
[図表6]紹介業者のサービスの流れ

 

確かに、紹介業者さんは、インターネットを駆使して、相続の悩みのある方と相性の合う専門家のマッチングをするという、社会的意義のある仕事をされています。しかし、そういった業者もボランティア活動をしているわけではないことは知っておきましょう。

 

■無料相続相談会は、生命保険か不動産を営業されるかも

「無料相続相談会」というと聞こえはよいですが、無料の裏には、必ずバックエンド商品があることを認識しましょう。バックエンド商品とは、無料サービスや、低額料金の商品でお客様と信頼関係を築き、最終的に本命の大型の商品を買ってもらうという、世の中に非常によくある販売方法です。この本命商品のことをバックエンド商品といいます。

 

無料からはじめて、ゆくゆくバックエンド商品を買ってもらうこと自体が悪いとは思いません。かくゆう筆者にだってバックエンド商品ありますし。筆者の事務所のバックエンドは、相続税申告の依頼です。筆者達はお客様から相続税申告書の作成を依頼されて、その報酬をいただき、日々生活をしております。そのため、相続が実際に発生している方の初回相談は無料としています。無料で筆者達の力を試していただき、最終的に相続税の申告を依頼いただけたら嬉しいわけです。

 

税理士事務所や弁護士事務所が無料相談をするのは、最終的に申告書の作成や、弁護士業務を依頼してほしいというバックエンド商品が明確です。しかし、銀行や証券会社、生命保険会社、不動産会社が主催するような無料相談会では、必ず最後に、その主催者が自社のバックエンド商品(生命保険や不動産など)を販売したい気持ちがあることを、知っておくべきでしょう。

 

 

 

 まとめ 

相続が起きた時に相談するべき専門家は、人によって、次の専門家をおすすめします。

 

・相続税がかかる人は、相続税に強い税理士

・相続税がかからず、かつ、揉めていない人は、相続手続きに強い司法書士

・相続争いで揉めている人は、相続争いに強い弁護士

 

[図表7]相続ケース別相談すべき専門家
[図表7]相続ケース別相談すべき専門家

 

無料相談や無料紹介を売りにしている業者は、その裏で本当に販売したい商品を隠し持っていたり、裏で紹介料を貰っていたりしますので、安易に信頼するのは危険かもしれません。専門家選びは多くの情報を取り入れて、慎重に判断しましょう。

 

【動画/筆者が「相続後の手続き」を分かりやすく解説】

 

 

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